個人再生手続きを断られるケース 個人再生の失敗例
個人再生申立で「棄却や不認可」があるの?
個人再生は申立をしたからといっても、必ず認可されて借金を大幅に減額されるわけではありません。
従って質問に対しては、「個人再生手続きは、失敗に終わるケースがあります」というのが答えです。
こうした個人再生の手続きが失敗に終わるケースとは、主に次のような4つのケースです。
- 申立て時に「棄却」される場合
- 手続き中に「廃止」になる場合
- 最終的に「不認可」になる場合
- 認可確定後に「取消し」になる場合
ここでは、個人再生の失敗例、個人再生の手続きが失敗に終わる上記の4つのケースについて、具体的に解説しましょう。
①「棄却」 個人再生が失敗になるケース 棄却
地方裁判所への申立が、民事再生法第25条(再生手続開始の条件)に定める各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は再生手続開始の申立てを棄却しなければなりません。
具体的には「再生手続費用の予納がない」「再生計画案や再生計画の認可の見込みがない」といった場合です。
また、民事再生法第221条に定める「手続開始の要件など」を満たしていない場合にも、申立は棄却されます。
具体的には「再生手続開始の申立の際に小規模個人再生の申述をしていない」「債権者一覧表などの書類を期日までに提出しない」といった場合です。
②「廃止」 個人再生が失敗になるケース 廃止
小規模個人再生の場合に限られますが、民事再生法第237条(再生手続きの廃止)に該当すると、裁判所の職権により個人再生手続の廃止が決定されます。
小規模個人再生に限ったことですが、次に該当すると裁判所の職権により個人再生手続きの廃止が決定されます。
具体的には「書面決議が否決された」「財産目録の記載モレまたは不正記載がある」といった場合です。
また、民事再生法第191条(破産手続開始の決定又は新たな再生手続開始の決定がされた場合の取扱い等)の定めのいずれかに該当するときは、裁判所は再生手続廃止の決定をしなければなりません。
具体的には「裁判所の定めた期間内に再生計画案の提出がないとき」「再生計画案が否決されたとき」といった場合です。
③「不認可」 個人再生が失敗になるケース 不認可
再生計画案が民事再生法第174条(再生計画の不認可の決定)第2項の定めのいずれかに該当する場合には、裁判所は再生計画の不許可の決定をします。
具体的には「再生計画が遂行される見込みがない」「再生計画の決議が不正な方法で成立した」といった場合です。
また、民事再生法第231条には、民事再生法174条2項の各号に定める「再生計画不認可事由」があれば,再生計画は不認可とすることが定められています。
④「取消し」 個人再生が失敗になるケース 取消し
再生計画案が民事再生法第189条(再生計画の取消し)の定めのいずれかに該当する場合には、裁判所は再生計画不許可の決定をします。
具体的には「債務者が再生計画の履行を怠った」「財産の贈与や営業などの譲渡を、同意を得ずに行った」といった場合です。
個人再生手続きを断られるかもしれない…という不安を解消する為には法律の専門家に相談するのがベスト
こうした問題への対応は、専門家(弁護士 司法書士)でなければ適切な対処はできません。依頼した専門家に相談しながら対応してください。
個人再生について、弁護士、司法書士に相談されるなら、依頼した後の費用の事も考え、あらかじめ手続き費用が最も安いところに相談するのがベストです。
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個人再生手続きを断られるケース
個人再生における再生計画案の決議方法について
個人再生には2種類あり、個人再生手続きを利用する人の大半が利用する「小規模個人再生」と限られた人が利用する「給与所得者個人再生」です。
この2つの手続きとも「再生計画案」を作成しますが、小規模個人再生と給与所得者個人再生では、計画案の「決議方法」に違いがあります。
「再生計画案の決議」とは、債権者に対して、債務者が作成した借金の返済計画案を了承できるかどうかを問うことです。
ところがこの再生計画案の決議は給与所得者等再生においては債権者による決議は行われておらず、裁判所側による意見聴取するだけにとどまります。
そこでここでは、小規模個人再生における再生計画案の決議方法について、いくつかのテーマに分けてその概要を解説しましょう。
①決議に参加できる債権者
再生計画案の決議は、債務者によって再生計画案が提出され、裁判所が「再生計画案を書面による決議に付す」との決定をした後に行われるものです。
再生計画案の決議に参加して議決権を行使できるのは、「届出再生債権者」に限られます。
この届出再生債権者とは、債権内容・種類・金額などを記載した「債権届出書」を裁判所に提出している債権者です。
ですから、この債権の届出をしていない債権者は、再生計画案の決議への参加は認められません。
②決議の実施方法
小規模個人再生の決議は、通常の民事再生のような債権者集会で行うのではなく。書面によって行う決議です。
裁判所が書面決議を決定すると、そのことは官報に公告されます。
また、債権者へは、再生計画案と再生計画案に同意しない場合はその旨を意思表示できる書面が届けられるのです。
債権者が設定された股間(2週間以上3カ月以下)に書面での不同意の回答をしなかった場合は、その債権者は再生計画案に同意したものとみなされます(「消極的同意」という)。
③決議の可否
決議において次のいずれかの場合には、再生計画案は否決されます。
・不同意回答をした債権者数が、債権者総数の2分の1以上であった場合
・不同意回答をした債権者の債権額が、総債権額の2分の1以上であった場合
小規模個人再生においては、再生計画案が否決されると再生手続が廃止されます。
つまり、再生計画案が否決されると、裁判所の決定によって再生手続きは終了させられるのです。
「再生計画の取消し・変更」について
『民事再生法』は、再生計画が確実に履行されるようさまざまな工夫をしています。
具体的には、個人再生手続き後の再生計画にそった借金の返済が支払えなくなったり滞ったりした場合には、再生計画の「取消し」と「変更」を認めているのです。
再生計画を履行できなくなった場合の変更と取消しについて解説します。
①再生計画の取消し
再生計画の取消しとは、再生計画に何らかの問題が生じた場合、債権者からの申立てに基づいて裁判所から再生計画の許可が取り消されることです。
取消しの申し立てのできるのは、すでに返済された額を除き、債権総額の10分の1以上に当たる権利を持っている債権者に限られます。
再生計画が取り消される事由は次の3つです。
・再生計画の決議が不正の方法で成立している事が判明した場合
・再生債務者が再生計画の履行を怠った場合
・計画弁済総額が再生計画の認可が決定された時点での破産配当総額を下回ることが明らかになった場合
なお、再生計画取消しの申立ては、債権者が再生計画に取消し事由があることを知ったときから1カ月を経過したとき、または再生計画の認可決定から2年を経過したときは認められません。
②再生計画の変更
再生計画の変更とは、再生計画の認可決定後、やむを得ない事由で計画の実行が困難になったときは、債務者(管財人・監督委員を含む)の申立に基づいて再生計画の一部の変更を認めることです。
再生計画の履行が困難になったときには、債権者は直ちに破産手続に移行できます。しかしそれよりも、計画の一部変更で計画を履行するほうが、債務者・債権者双方の利益に合致すると考えられることに因るといえるでしょう。
変更の要件である「やむを得ない事由」とは、「債務者が再生計画を策定する段階では予測や想定できず、債務者自身でコントロールできない事情」のことです。
再生計画の変更については、民事再生法234条で「やむを得ない理由」があり「再生計画の継続が著しく困難になったとき」に限り認められます。
とはいえ再生計画で変更が認められるのは、返済期間だけです(返済額の変更は認められません)。
この返済期間の変更に当たっては、所定の事項を記載した申立書とともに再生変更計画案を提出する必要があります。
再生計画の返済期間は原則として3~5年間で立てられていますが、変更が認められる延長は2年が限度です。
従って変更された再生計画の返済期間は5~7年間で設定されます。
個人再生における弁護士と司法書士の業務の違いは?
弁護士は司法試験に合格し、司法研修所を卒業して弁護士会に登録した人です。「法律の専門家」であり、法律に関わる全ての仕事を扱います。
一方、司法書士は司法書士試験に合格した人で、主な仕事は登記や供託、法律相談や法律に関する書類作成です。
法律に関する仕事ができるとはいえ、裁判などで弁護士が行う仕事を代理で行うことは原則としてできません。
弁護士と司法書士の本来的な業務このとおりですが、個人再生においては次の2点で大きな違いがあります。
①司法書士は裁判所や裁判官とのやりとりの代理ができない。
弁護士は全ての業務を代理できますが、司法書士の場合は書類の作成しか代理できません。
したがって手続きを司法書士に依頼した場合、必要書類の提出・個人再生委員との面談などは申立人本人だけで行う必要があります。
一方弁護士は申立人の代理として必要書類の作成・提出・個人再生委員との面談に同席といったことも可能です。
②司法書士は140万円以上の借金は対応できない。個人再生手続きは弁護士に相談しよう。
司法書士は140万円以上の借金を抱える人の法律相談や債務整理手続きの対応はできません。
ですから、借金が140万円を超えるケースでの個人再生手続きは、弁護士に依頼するしかないのです。
個人再生を弁護士に依頼しようと考えられた場合、できるだけ依頼費用を抑えたいという事を考えられると思います。
また、個人再生手続きを断られる事があるのかないのか、についても弁護士の無料相談をして、先に教えてもらっておくのがいいでしょう。
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