借金は「恥」じゃない?

どもです!シロウ@借金研究家/ Twitterです。

ネット上には「借金をすることの善悪」や「借金の種類による良し悪し」について、さまざまな記事が掲載されています。

しかし借金の必要性は人それぞれに違いがあるのですから、借金について「善悪」や「良い借金と悪い借金」といったことで第三者が論じることは、あまり意味のあることとは思えません。

そこでこの記事では、借金についての歴史的な経緯や借金の実情について客観的に見てみましょう。

「借金」の歴史的な流れ

借金の起源は、稲作が行われ始めた弥生時代の「米貸し」と言われています。

当時は貨幣がなかったので、貸付と返済に利用されたのは「種籾と収穫したコメ」が使われました。

具体的には農民が神社から種籾を借りて田植えをし、収穫できたら利息(利稲)を付けて返す仕組みで行われていたのです。

この「利息」については『日本書紀』の646年の記述に「利子」のことが確認されることから、すでに飛鳥時代には利息も誕生していたことになります。

貨幣での貸し借りは奈良時代には行われていたようですがメインはコメなどの「物」であり、現在のように貨幣が使用されはじめたのは鎌倉時代になってからです。

現在の貸金業に近い業者による貸付が一般的になったのは江戸時代のことで、その中心になって活躍したのは「両替屋」でした。この両替屋の「三井両替店は三井住友銀行の前身」で、「鴻池両替店は三菱UFJ銀行の前身」です。

また、現在の「個人信用情報機関」と同じような存在も、江戸時代に誕生しています。

大名から御家人まで借金漬けであった多くの武士は、両替屋を「借り回り(転宿:てんやど)」していました。

そうした武士に貸し付けると危険なので、両替屋などの金貸は「組合」を結成し、「ブラックリストの武士」の情報を共有していたのです。

江戸時代後期には、両替屋は武士階級だけではなく当時の町民の生活に欠かせない存在だったようです。

そのことは、明治時代に入り『利息制限法』が民法や刑法よりも先に法制化されたことからも推測できます。

このように歴史的には物の貸し借りは弥生時代に始まり、鎌倉時代に貨幣の貸し借りに変化し、現在の様な借金のシステムや行為は江戸時代に始まったと言えるようです。

借金は悪いことなの?

江戸時代の多くの武士は「戦い」が無いことから収入がなく、両替屋からの借金で何とか生活を維持していました。

しかしそうした生活をしながらも武士には誇りや自尊心があり、食事が取れない時でも口に爪楊枝をくわえて十分に食事をしているように見せかけていたと言います。

そうした武士の心意気やがまん強さ、体面を重んじる気風を言い表したのが「武士は食わねど高楊枝」というコトワザです。

ところがこのコトワザは、近ごろは「やせ我慢をして、外面的にプライドを保とうとすることに対する皮肉」として使われることが多くなりました。

つまり、やせ我慢をして外面的にプライドを保つようなことは馬鹿げている、といったように考える人が多くなったことの証明とも言えるのでしょう。

「借金」についても、近ごろはこれと同じようなことが言えます。

かつては「借金をするのは恥だ」「みっともない」「何となく後ろめたい」といったように考える人が多かったのですが、そのような借金に対する多くの人の考えを一変させたのが次の3つの事象です。

  • 消費者金融のコマーシャルが、大々的にテレビで放映されはじめたこと
  • 格式が高く信用のある銀行が、本格的に個人貸付を展開し始めたこと
  • インターネットなどの普及で、人の目を気にせずに借金ができるようになったこと

もともと、借金に良し悪しなどありません。借金をするかしないかの必要性は人それぞれに違いがあるのですから、第三者がとやかく言うべきことでもないのです。

しかし借金をする際には、一つだけ注意しておきたいことがあります。

それは、当然のことながら、借金は返済の必要があることです。

返済できないと、貸主(人や会社)に迷惑をかけるうえにペナルティーを受けることになります。

返済の見込みのない借金をすることだけは、「悪いこと」と考えておきたいものです。
借金返済

借金は資産と言えるのか!

「資産」とは、個人または企業などが所有する現預金・土地建物・商品といった経済的価値のあるものの総称で、自分や自社の財産のことです。

「資産は、プラスになるもの」といったイメージを持っている人が多いのですが、必ずしもそうではありません。

「借金」そのものだけではなく、「借金で買った物」も含めて「資産の一つ」です。

「借金は資産」というのは、企業の簿記や会計上で説明すれば理解しやすいでしょう。

企業が借金をすると、借金という負債とともに借金と同額の現金という資産を手にします。

企業会計では負債と資産は常にイコールで必ず釣り合うように処理されており、それを示すのがバランスシート(貸借対照表)と呼ばれるものです。

つまり、企業会計上では負債イコール資産ですから、借金をするとそれと同額の資産が増えます。

こうしたことから、「借金は資産である」と言われるようになったようです。

なお企業では、この借金を設備投資・販促経費・商品開発など増収増益のための資金として活用します。

しかし個人の場合には借金をして車や家を購入しても、現在のような経済情勢の下ではそれらの価値は毎年目減りしていくのが一般的で、物は増えてもそれがあらたな利益を生むことは考えられません。

利益を生まない資産をいくら多く持っていても、いわゆる「金持ち」ということではないのです。

不動産バブル時代は借金すればする程得をした

かつてのわが国でも、借金で4,000万円の家を買うと次の年には4,500万円で売却でき、わずか1年で借金全額が返済できるうえに500万円の利益を得る、といった時代がありました。

しかし現在の世界の経済情勢を考えれば、個人の場合は「借金は資産である」と考えて気楽に借金をすることはあまりおすすめできません。

気になる借金の平均額!

借金をしようと考えている人にとって、現在借金をしている人が一般的にいくらくらい借入しているかは、気になるところです。

ところが、こうした疑問にスッキリと応えてくれるような調査やアンケート結果はネット上には見当たりません。

どのような種類の借金をいくらしているかといったことは個人情報ですから、そのような情報提供を期待するのは無理な注文なのかもしれません。

「知るぽると」の愛称で知られている金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」では、平成28年の借入に関して次のような情報を提供しています。

1、借入金のある世帯:38.6%
2、借入金の平均額:1,381万円(ただし、住宅ローン平均残高1,324万円を含む)
このことから、借金をしている人を対象にした調査によれば、住宅ローンを除く一般的な借金は57万円としています。

また、「日本貸金業協会」発行(平成27年度3月末)の年次報告書(JFSA白書)によれば、カードローンの貸付残高(カードローンでの貸付)は次のとおりです。

借金している人は50~60万円の借入額が一般的

1、貸金業者(444社)の1件当たり平均貸付残高:500(千円)
2、内大手貸金業者(6社)の1件当たり平均貸付残高:537(千円)
3、大手以外の無担保貸金業者(438社)の1件当たり平均貸付残高:355(千円)
このことから、貸付をしている貸金業者の年次報告によれば、平均的な貸付は約50万円としています。
2つの情報によれば、借金をしている人の現時点での借金残額は50~60万円といえそうです。

借金って「恥」なのか?:まとめ

借金の起源は弥生時代

借金の起源は弥生時代の「米貸し」です。物の貸し借りで弥生時代に始まった借金は鎌倉時代に貨幣の貸し借りに変化し、現在の様な借金のシステムや行為は江戸時代に始まりました。

借金は悪いことか

借金に良し悪しなどありません。借金をするかしないかの必要性は人それぞれに違いがあるのですから、第三者がとやかく言うべきことではないのです。

借金は資産か

企業の簿記や会計上は「借金は資産」といえますが、個人の場合は「借金は資産」と考えて気楽に借金をすることはおすすめできません。

借金の平均額

借金をしている人を対象にした調査によれば約57万円、貸付をしている貸金業者の年次報告によれば約50万円ですから、借金をしている人の現時点での借金残額は50~60万円といえそうです。

記事を書いているのは?

楽に借金返済
貸金業務取扱主任者 3級 ファイナンシャル・プランニング技能士。元貸金業者で働いていた経験と、自身も長年借金をしている経験を併せ持つ。 借金道を10年運営。借金コラムを2000枚以上執筆。 借金アドバイザーとして、WEB上での借金相談を1,000件以上行っている。
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元金融マンが語る完済の鉄則 -目次-

  1. 借金道の想い
  2. 借金の悩みは語られない
  3. 自分の借金を把握する
  4. シロウの返済理論
  5. 家計簿をつければ効果的に返済できる
  6. 繰上返済で借金を減らす方法
  7. 繰上げ返済時に振込手数料を無料にする方法
  8. 借金してても楽しいことあるさっ
  9. 借金返済の生活
  10. 借金返済の生活 その2
  11. 借金が増えていっている人へ
  12. ストイック(=禁欲的)に
  13. 何のタメに働くのか
  14. 完済の向こう側
  15. 行動
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