損しない為に!借りる前に金利を知ろう その1

「年利」と「実質年率」は違うの?

まず、言葉の整理をしておきましょう。
「年利」とは、「金利」を1年当たりの割合で示したもののことです。

金利は、言わば金銭の貸し借りに対する賃借料(金銭の使用料)に当たるもので、貸し借りした金銭(元金)に対する賃借料の割合で表示します。算式で示すと次のとおりです。
・年利(%)=(元金×金利)÷元金×100

また、貸し借りした金銭に金利を掛けて具体的に算出された金額を「利子(利息)」と呼びます。

カードローンの場合、通常、金利は「13%」「15%」といったように「パーセント(%)」を使って1年当たりの割合で示します。

つまり、年利で示されるということです。

銀行系カードローンの商品説明書などに記載されている「金利4.00~14.50%」といった表示は、このカードローンは「年利4.00~14.50%」と言うことでもあります。

もう一度整理しておきます。

  • 「年利」は、金利を1年当たりの割合で示したもののこと
  • 「金利」は、貸し借りした金額(元金)に対する利息の割合
  • 「利息」は、貸し借りした金額×金利で算出される金額

なお、「年率」と言う用語も使われますが、年利と年率は全く同じものです。

一方「実質年率」とは、借入金額と利息に印紙代、事務手数料、保証料などの「諸費用をプラスして計算した年利のこと」で、次の式に基づいて算出できます。

・実質年率(%)=(元金×年利+1年間の諸費用)÷元金×100
なお、諸費用など抜きで単純に元金にかかる利息だけを計算したものは「表面金利」と呼びます。通常、「年利」とだけ言った場合は、この表面金利を指すことが多いようです。

ここで、元金100万円・年利18%・手数料5千円のカードローンの「年利」と「実質年率」を比較してみましょう。
・年利:18%
・実質年率:(100万円×18%+5000円)÷100万円×100=18.5%
当然のことながら、実質年率の方が0.5%高くなります。

言い換えれば、元金に対する手数料の割合分が高くなるということです。

消費者金融の場合は法律で義務付けられていることから、カードローンの金利はこの実質年率による表示をしなければなりません。

しかし、カードローン提供会社では手数料や保証料などは自社負担で経費処理しており、返済額に含めて利用者に負担させることはありません。

諸費用を含めた実質年率と言いながら、現実にはほぼ表面金利と差がないと考えてもいいでしょう。

カードローンの金利を下げてもらうことってできる?

数年間、延滞せずに取引を続けていて、完済した後にほったらかしにしていると、再度借りてほしいので、カードローン提供会社側から、「あなたのカードローンの金利を下げましょう」と言ってくることもあります。

延滞などないスムーズな取引を最低でも1年以上続けている利用者から、「金利を下げてほしい」との相談があれば相談に乗ってくれる(交渉に対応てくれる)可能性はあります。

いわゆる「優良顧客」であれば、可能性が出てきます。

また、その逆で「返済が滞りがちだったり他社から多額の借入があったりする人」も、相談に乗ってもらえる可能性があります。

これは債務整理による元金の回収が不能になることを回避できる、とカードローン提供会社側が判断した場合に限られます。

では、カードローン提供会社が相談に乗ってくれなければ金利は下がらないかといえば、そうではありません。次のような取組みによって、結果的に金利を下げられます。

  • カードローン借り換えによる金利の引き下げ
  • おまとめローンによる金利の引き下げ
  • 借入限度額の増額による金利の引き下げ

これらの方策について、簡単に紹介しておきましょう。

①カードローン借り換えによる金利の引き下げ

カードローンの金利は、消費者金融系と銀行系によって大きな違いがあります。

初回借入の際の金利は、いずれのカードローンでも最高金利が適用されるのが一般的です。(年収が高いとか、社会的信用度のある職業に就いている方はいきなり低利という事もあります。)

この最高金利は、一般的には消費者金融系カードローンが18.0%・銀行系カードローンが15.0%と、両者で3. 0%もの違いがあります。

もしあなたが消費者金融系カードローンを利用しているのであれば、銀行系カードローンに借り換えるだけで3. 0%もの金利を引き下げが可能です。

カードローンの借り換えは、消費者金融系から銀行系といったパターンに限定する必要はありません。

現在よりも低い金利のカードローンを探し、そのカードローンへの借り換えに挑戦すればいいのです。

現在複数のカードローンを借入している場合には、1つひとつのカードローンを借り換えるのは大変ですが、手間と労力を惜しんでいても金利は自動的に下がることはありません。

②おまとめローンによる金利の引き下げ

複数のカードローンを、金利の低いものに一本化することで一気に引き下げを実現する方法と言えるでしょう。
おまとめローンには総量規制が適用されないことから、消費者金融からも銀行からも商品が提供されています。
しかし、消費者金融のおまとめローンは「返済専用のローン」で、銀行のおまとめローンは「おまとめにも利用できるフリーローン」とも言えるものです。

金利を引き下げるためにおまとめローンを利用することは有効な方法ですが、おまとめローンにはメリットだけではなくデメリットもあります。

単に金利のことだけではなく、おまとめローンのメリット・デメリットについて事前のシッカリとした検討をおすすめします。

③借入限度額の増額による金利の引き下げ

カードローンにおける借入限度額と金利は、反比例の関係で設定されています。つまり、借入限度額が高ければ高いほど、金利は低く設定されています。

このことを利用したのが、借入限度額の増額による金利の引き下げです。

利用者が借入限度額の増額を実現するためには、一般的には「カードローン提供会社が指定する方法に基づいて増額申請」をします。

各カードローン提供会社は自社のホームページ上に限度額増額方法を紹介しています。

増額を希望する場合は、そこに指定している方法に従って増額申請するのです。

もっとも、申請さえすれば誰でも増額が認められるのではありません。

新規借入の際の審査より厳しい、と言われている増額審査をクリアしなければ増額は実現しません。

この増額申請によって現在よりも金利の低い限度額が認められると、これまでよりも低い金利に引き下げられるのです。

なお、優良顧客に対しては、自ら申請しなくてもカードローン提供会社から増額案内が届けられますので、案内に沿って申し込むことが可能です。

損しない為に!借りる前に金利を知ろう その1:まとめ

「年利」と「実質年率」は違うの?

  • 「年利」とは、「金利」を1年当たりの割合で示したもののことです。金利は、言わば金銭の貸し借りに対する賃借料(金銭の使用料)に当たるもので、貸し借りした金銭(元金)に対する賃借料の割合で表示します。算式で示すと次のとおり。
    年利(%)=(元金×金利)÷元金×100
  • 「実質年率」とは、借入金額と利息に印紙代、事務手数料、保証料などの「諸費用をプラスして計算した年利のこと」で、次の式に基づいて算出できる。
    実質年率(%)=(元金×年利+1年間の諸費用)÷元金×100
  • 消費者金融の場合は法律で義務付けられていることから、カードローンの金利はこの実質年率による表示をしなければならない。
  • カードローン提供会社では手数料や保証料などは自社負担で経費処理しており、返済額に含めて利用者に負担させることは無い。諸費用を含めた実質年率と言いながら、現実にはほぼ表面金利と差がない

カードローンの金利を下げてもらうことってできる?

  • 長く延滞なしで取引しなければ、カードローン提供会社側から、「カードローンの金利を下げましょう」などと言ってくることはない。
  • 延滞などないスムーズな取引を最低でも1年以上続けている利用者(いわゆる「優良顧客」)から、「金利を下げてほしい」との相談があれば相談に乗ってくれる(交渉に対応てくれる)可能性はある。
  • その逆で「返済が滞りがちだったり他社から多額の借入があったりする人」も、相談に乗ってもらえる可能性がある。これは債務整理による元金の回収が不能になることを回避できる、とカードローン提供会社側が判断した場合に限られるもの。
  • カードローン提供会社が相談に乗ってくれなければ金利は下がらないかといえばそうではなく、次のような取組みによって結果的に金利を下げられる。
  1. カードローン借り換えによる金利の引き下げ
  2. おまとめローンによる金利の引き下げ
  3. 借入限度額の増額による金利の引き下げ

低金利で借りるという有効戦略

記事を書いているのは?

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貸金業務取扱主任者 3級 ファイナンシャル・プランニング技能士。元貸金業者で働いていた経験と、自身も長年借金をしている経験を併せ持つ。 借金道を10年運営。借金コラムを2000枚以上執筆。 借金アドバイザーとして、WEB上での借金相談を1,000件以上行っている。
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