おまとめローンとは?
いくつもの借金をしていると、それを間違いなく処理するのは大変な困難と手間がかかります。
返済金の準備に困っていない人であれば問題はないのでしょうが、そうでなければ、それぞれの返済日に返済金を確実に準備するのさえ大変です。
複数の借り入れで首が回らない状態を「多重債務」といいますが、そうした状態を解決させる方法はいくつかあります。このサイトでは弁護士や司法書士に依頼するのではなく自分自身で行う「まとめローンによる借金の一本化」について紹介しましょう。
おまとめローンとは
「おまとめローン」とは、複数業者からの借入れを完済するための新たな借入れのことです。
新たな借入によってそれ以外の借入れを完済しますので、新たな借入だけがローンとして残ります。
まとめの対象になる借入は、おまとめローンによって違うのが一般的です。
カードローンの借入に限定したものと、クレジットカードのショッピングもおまとめローンの対象になる借入として認めているものもあります。
また、新たな借入先である「まとめ先」もさまざまですが、現在借入をしている金融機関の場合もあれば全く新たな金融機関の場合もあるのが現実です。
おまとめローンの利用は、主に次の2つを目的に行われます。
- 管理の一元化:支払日と支払先を一本化して資金準備や支払いを管理しやすくする。
- 返済月額の圧縮:借入先を一本化して借入額を高くすることで、金利と返済月額を抑える。
複数の借入を一本化するのですから、「おまとめローン」で借り入れる金額はどうしても高くなります。
借入額が高くなると、「総量規制」の関係でおまとめローンの利用は銀行だけと思いがちですが、実は消費者金融でもおまとめローンを提供しています。
これは総量規制の適用に関し、その例外・除外となる貸付が定められており、「おまとめローン」は総量規制適用の「例外貸付」とされていることによります。おまとめローンは、具体的には例外貸付として規定されている「顧客に一方的に有利となる貸付」に該当することから総量規制が適用されません。
総量規制が適用されないのですから、おまとめローンで貸し付ける金額が年収の3分の1を超えるケースでも、消費者金融が貸し付けることができるのです。
なお2017年4月に、金融庁が銀行系カードローンの過剰貸付を問題視したことで、自主規制とはいえ銀行の審査がより厳しくなること想定されます。このことから、消費者金融のおまとめローン利用者は増加していくかもしれません。
「おまとめローン」と「借り換えローン」は同じローンなの?
おまとめローンと同様なローンに、「借り換えローン」と呼ばれるローンがあります。
ローン業界では明確な区別はされていないようで、ネット上でも混乱して使用されています。
しかし、「まとめること」と「借り換えること」は全く違ったことですから、語意からいえば2つのローンは区別すべきローンと言えるでしょう。
違いがあるからこそ、違った名称でのローンとして存在しているのです。
「おまとめローン」とは、すでに見てきたとおり「複数金融機関からの借入れを完済するための、新たなローンのこと」です。
複数のローンを一本化する「おまとめ」の目的は2つあります。
1つは、支払日と支払先を一本化して資金準備や支払いを管理しやすくする「管理の一元化」で、他の1つは借入先を一本化して借入額を高くすることで、金利と返済月額を抑える「返済月額の圧縮」です。
一方、借り換えローンとは、現在借入しているローンよりも好条件を備えているとして、借り換え目的に利用されるローン商品のことです。もっとも「おまとめローン」のように、商品に「借り換えローン」と言った名称は付けられていません。
ローン商品は実にさまざま提供されていますから、現在利用しているローンよりも金利や借入限度額、返済月額などが好条件を備えたものが多数提供されています。その商品の1つを借り入れし、現在のローンを解約するのこの新たに借り入れるローンが「借り換えローン」と呼ばれています。
このように「おまとめローン」と「借り換えローン」は異なるローンです。
決定的な違いは「おまとめローン」は複数社から借入している場合、「借り換えローン」は1社から借入している場合に行います。
おまとめローンに関するいくつかの疑問にお答えします!
このサイトでは、ネット上のQ&Aコーナーなどでよく扱われているおまとめローンに関する常識的な情報を、要約して提供します。
①おまとめローンで、まとめる対象となるものは?
「まとめるためのローンなのだから、どのようなどのようなおまとめでもしてくれる」と期待する人は多いのですが、消費者金融のおまとめローンの場合には制約があります。
消費者金融のおまとめローンの資金使途は、「他の貸金業者からの借入金の返済」に限られているのです。
ですから、貸金業者である消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングなどだけが対象になります。
このように消費者金融のおまとめローンは万能商品ではないことから。銀行のカードローンやそのほかのローンをおまとめすることはできないのです。
しかし、銀行が提供するおまとめローンや商品説明書におまとめローンとして利用できると記載されているローン商品の場合は、とくに使途に制約はありません。
したがって他の銀行のローンに限定されることなく、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングなどの借入ものある借入をまとめることができます。
②おまとめローンは返済専用ローンなの?
大手消費者金融などが取り扱っているおまとめ専用のローンは、返済をしていくだけの返済専用のローンです。ですから、追加融資を受けることもできません。
コツコツと返済を続けていくことでローン残高を確実に減らすことが目的のローンですから、追加融資が必要になっても、消費者金融はそれに対応してくれないのです。
またローンを完済しても、別なローンの審査をクリアしなければ新たな借入はできません。
消費者金融の提供しているおまとめローンは、カードローンではなくフリーローンのローン残高返済をする目的ローンということになります。このことを理解したうえでおまとめローンを利用することが必要です。
しかし、銀行から提供されているカードローンをおまとめローンとして利用する場合は、返済専用ローンではないので追加融資が受けられます。
また、おまとめローンとして利用してローンを完済した後も、銀行カードローンであれば引き続きこのカードローンを利用し続けることが可能です。
とは言え、おまとめローンとしてローンの返済をしている最中に追加融資を受けていては、いつまでもローンの完済はできません。
③おまとめローンで他社借入を返済した後の新規借入は違法なの?
おまとめローンで他社借入を返済した後の新規借入が違法(契約違反)かどうかは、消費者金融のおまとめローンを利用した場合、次のようにケースによって異なります。
- 完済したカードローンを解約することを条件におまとめローンを借り入れた場合は、契約違反です。
おまとめローンを契約する際に、消費者金融側から「おまとめする借入先のカードローンは、すべて解約してください」と言われることがあります。
この場合は、現在利用中のカードローンを解約することを条件におまとめローンを契約するのですから、解約しないで新たな借入をすることは契約違反です。最悪の場合、おまとめローンの借入金を一括返済するよう契約消費者金融求められる場合があります。
完済したカードローンを解約することを条件におまとめローンを借り入れた場合以外は、契約違反になることはありません。
とは言え、完済したカードローンを解約してもしなくても、おまとめローンを契約した後に新たに借入をすることは厳しくなってしまいます。
それは、新たな借入がおまとめの際に未解約のカードローンやまったく新たなカードローンであっても同じです。
おまとめローンを契約したことは信用情報機関に記録されるのですから、「月々の返済に困っているから借入をまとめた」ことは隠すことはできません。
なお、銀行の一般的なカードローンを利用して借金をまとめる場合は、契約違反や新たな借入の問題が発生することはありません。
おまとめローンとは?:まとめ
●「おまとめローン」とは、複数業者からの借入れを完済するための新たな借入れのこと。新たな借入によってそれ以外の借入れを完済するので、新たな借入だけがローンとして残る。
●おまとめローンは、主に次の2つを目的に行われる。
・管理の一元化:支払日と支払先を一本化して資金準備や支払いを管理しやすくする。
・返済月額の圧縮:借入先を一本化して借入額を高くすることで、金利と返済月額を抑える。
●「おまとめローン」と「借り換えローン」は同じローンか?
- 「おまとめローン」と「借り換えローン」は異なるローン
- 決定的な違いは「おまとめローン」は複数社から借入している場合、「借り換えローン」は1社から借入している場合のローン
●おまとめローンに関するいくつかの疑問と答え
①おまとめローンで、まとめる対象となるものは?
- 消費者金融のおまとめローンの資金使途は、「他の貸金業者からの借入金の返済」に限られる。
- 銀行のおまとめローンは、特に制限はない。
②おまとめローンは返済専用ローンなの?
- 大手消費者金融などのおまとめ専用のローンは、返済をしていくだけの返済専用のローンで、追加融資を受けられない。
- 銀行系カードローンをおまとめローンとして利用する場合は、返済専用ローンではないので追加融資が受けられる。
③おまとめローンで他社借入を返済した後の新規借入は違法なの?
- 完済したカードローンを解約することを条件におまとめローンを借り入れた場合は契約違反
- 完済したカードローンの解約を条件にしないで借り入れた場合は契約違反ではない。
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