クレジットカードのキャッシング利用分は過払い金がもらえる場合アリ
クレジットカードのキャッシング利用分は過払い金が請求できる場合が多いです。
消費者金融の借入だけでなく、クレジットカードでも、かつてグレーゾーン金利でのキャッシングを行っていたことから、引き直し計算をすれば過払い金が発生している可能性があります。
ここでは、クレジットカードと過払い金について、次の3つの項目について解説します。
・過払い金を請求ができる場合とできない場合
・過払い金が発生する条件と過払い金が発生するカード業者
・過払い金請求する際の注意点
過払い金請求ができる場合とできない場合
クレジットカードの借金を債務整理する際、過払い金を請求ができる場合と請求できない場合があります。
このサイトでは、それぞれどのような場合かを具体的に解説しましょう。
(1)過払い金請求ができる場合
①借金を払い終わっている人が過払い金請求をできる条件は、利息制限法の上限金利15~20%以上の金利で取引をしていた場合です。
・ほとんどの貸金業者は2006~2007年以前まで、利息制限法の上限金利を超える金利で貸付を行っていました。
ですから当時借金をしていた人は、過払い金請求ができる可能性が高いのです。
・過払い金請求には時効があり、借金の返済が完了してから10年を経過していると請求できません。
・時効成立前であっても過払い金請求の対象である貸金業者が倒産している場合も過払い金請求をできません。
②借金を返済中の人が過払い金請求をできる条件は、利息制限法の上限金利15~20%以上の金利で返済をしていた期間がある場合に限られます。
・2006~2007年以前から借金を返済していれば、過払い金が発生している可能性が高いといえるでしょう。
・返済中に過払い金が戻ってきた場合はそれを借金残高に充当するので、借金の減額が可能です。
(2)過払い金請求ができない場合
次のような場合には、過払い金を請求できません。
・借金を完済してから10年が経過している場合
過払い金請求には時効があり、借金を完済してから10年が経過してしまうと1円も取り戻せません。
・利息制限法の上限金利内での取引の場合
過払い金はグレーゾーン金利で返済していた場合にだけ発生します。
・クレジットカードのショッピング枠の債務整理をする場合
クレジットカードのショッピング枠は法的には「立替金」と見なされることから利息制限法の適用外です。
そのことで、クレジットカードのショッピング枠では過払い金が発生しません。
・過払い金請求の対象である貸金業者が倒産してしまっている場合
過払い金の請求先である貸金業者などが倒産してしまっていると、当然のことながら過払い金請求は不可能です。
過払い金が発生する条件と過払い金が発生する代表的カード業者
過払い金が発生するのは、かつて利息制限法が定める金利を超え出資法で定めている金利未満(グレーゾーン金利という)で貸し付けていた場合に限られます。
2010年の貸金業法改正の完全施行や出資法の上限金利引き下げが実施される前の2006年に、最高裁がグレーゾーンの金利は「無効」であるとの判決を下しました。
この判決を受け、大半の消費者金融やクレジットカード会社は、2006~2007年にかけて自主的に上限金利の見直しを実施したのです。
ですから、金利見直しが行われる前にグレーゾーン金利でクレジットカードを利用していた場合に限って、過払い金が発生している可能性があります。
クレジットカードで過払い金が発生する条件についてはすでに見てきたとおりですが、あらためて整理してお話しておきましょう。
①2006~2007年以前にグレーゾーン金利で返済をしていたことがあり、完済後10年を超えていない。
過払い金問題が浮上した2006~2007年あたりから、各カード会社とも上限金利を利息制限法内の金利に引下げました。ですから、2008年以降の取引には原則過払い金が発生しません。
②過払い金請求対象の業者が現在も営業している。
2010年の貸金業法改正にともなって、驚くほど多数の貸金業者やクレジットカード会社が倒産しました。特に経営力の弱かった中小の場合は倒産している可能性があるのです。
③キャッシング枠だけが過払い金請求の対象です。
ショッピング枠は「立替金」と見なされ利息制限法の適用外ですから、過払い金は発生しません。
ここで、どのようなクレジットカード会社の取引で過払い金が発生している可能性があるか、照会しましょう。
ただし、ネット情報に因るものですから、正確な情報は問合せ確認をしてください。
過払い金を請求する際の注意点
ここでは、過払い金を請求する際に注意しなければならない事項について列挙します。
①過払い金が「ショッピング枠の残高よりも多い場合」は注意が必要
ショッピング枠に残高がある場合、キャッシング枠で過払い金が発生してもまずはショッピング枠の支払いに充てられます。
ショッピング枠の残高よりも多ければ手元に戻ってきますが、ショッピング枠の残高より少ない場合は、クレジットカード会社に借金を減らす交渉が行われます。
つまり具体的な債務整理の手続きを行うことから、個人情報機関のブラックリストに載るのです。
②過払い金請求をしたクレジットカード会社のカードは利用できなくなる。
過払い金を請求されたカード会社の判断によるが、過払い金請求をするとそのカードは使えなくなります。
また、過払い金を請求したクレジットカード会社だけでなく、同じ系列やグループ会社のカードも利用が停止される場合があるので注意が必要です。
なお、過払金の請求はブラック情報ではないので、他のカード会社のカードであれば原則として利用可能です。
公共料金や電話料金の引落しに利用している場合やETCカードを利用している場合などは、他のクレジットカード会社に切り換えなどをしてから過払い金請求を申し立てます。
③クレジットカードの過払い金請求は時効に注意が必要
過払い金請求には時効があり、最後に返済した日から10年と定められています。
しかし、この最終取引日の解釈は統一されておらず、裁判官によってケースバイケースで判断されることがあるようです。
これら以外にも注意点がありますから、手続きを依頼する法律の専門家にシッカリ確認してください。
過払い金の請求は法律の専門家にとっても手数料を稼ぐ為のビジネスチャンスですので、よろこんで無料で過払い金の有無を調べてくれます。
過払金の返還には時効があります!債務整理するなら今ですよ | 借金道
以下では過払い金について、さらに詳しく解説していきます。
・過払い金の時効と10年以上経っても請求できる3つのケース
・過払い金返還請求をするとブラックリストに「載る・載らない」、どちらが本当?
・過払い金の回収率について
過払い金の時効と10年以上経っても請求できる3つのケース
過払い金の時効は、民法の2つの規定に因り「10年」と定められています。
過払い金を請求する法的根拠は、民法703条に規定されている「不当利得返還請求権」です。
つまり、過払い金は貸金業者が利息制限法を超えて不当に受け取った利息金であることから、その過払い金を返還請求できます。それが
「過払い金返還請求権」です。
また、過払い金請求の時効は、民法167条1項の「何かを請求する権利(債権)を使わない状態が10年間続くと、その権利を消滅する」という定めに因ります。
それが「消滅時効」といわれるものです。
ですからこの2つの定めに基づいて、過払い金を請求する権利は10年で消滅時効にかかります。
この過払い金返還請求権が消滅する10年をどの時点からカウントするかは、一般的に「最終の返済日から」です。
ます。「過払い金が発生してから10年」と誤解している人が多いのですが、そうではありません。
したがって、借入日や初回の返済日が10年以上前であったとしても、最後の返済日から10年が経過していなければ返還請求できるのです。
過払い金の時効である10年を経過していると変換できないかといえば、そうではありません。
実は次のようなケースでは、10年以上経過していても過払い金を請求できます。
①再契約をして同じ債権者へ現在も返済している場合
一度完済して再び借金をしているケースでは、2つの取引を「継続した取引」と考えるのか「分断した取引」だと考えるかによって、消滅時効の起算日が変わってきます。
裁判所の判断で異なりますが、一般には2つの取引の間の機関が1年未満の場合は継続した取引と見なされます。
従って、最初の借金の最後の返済日から10年経過していても、その借金での過払い金は請求できるのです。
②行き過ぎた取立てなど「不法行為」の事実がある場合
借金をしていた期間中に返済が滞るなどで激しい督促を受けた場合は、時効について特別なルールが適用されます。
例えば「自宅や職場へ頻繁に取立て来る」「真夜中の架電による執拗な取立て」など、民法709条で定められている「不法行為」があった場合は、過払い金の消滅時効は延長されるのです。
「不法行為が起きた時から数えて20年」が経過していなければ、過払い金請求権は時効を迎えていないと主張できます。
過払い金返還請求をするとブラックリストに「載る・載らない」、どちらが本当?
過払い金があるように思っていても、過払い金返還請求をブラックリストに載ることが心配で手続きをしない人は、思いのほか多いようです。
以前は、過払い金請求をすると「契約見直し(コード71)」という情報が個人信用情報機関のデータベースに登録され、その後の借金が難しくなっていました。
しかし、2010年4月に過払い金請求による「契約見直し」情報の登録が原則として廃止されたのです。
つまり、過払い請求をしてブラックリストに載ることはなくなりました。また、すでに登録されている「契約見直し」情報についても、削除されました。
そのことから質問に対しては、「過払い金返還請求をしても、原則としてブラックリストには載りません」というのが答です。
この点をシッカリと押さえた上で、次のような例外的なケースではブラックリストに載ることを理解してください。
①過払い金請求ではなく任意整理として取り扱われたケース
「完済した借金の過払い金請求だけをする」のであれば、ブラックリストには載りません。しかし、返済中の借金の」引き直し計算をしても過払い金が少なく借金が残ってしまうケースでは、ブラックリストに載ります。
これは、過払い金が単なる債務の圧縮、つまり任意整理として取り扱われることになるからです。
例えば引き直し計算で60万円の過払い金が明らかになったが、借金の残高が100万円のケースでは100万円の借金を40万円に圧縮する任意整理という扱いになることから、ブラックリストに載ってしまいます。
②一時的にブラック状態になるケース
過払い金返還請求が行われると、一時的に個人信用情報機関に「債務整理(コード32)」が登録されることがあるようです。
つまり、債務が残っている状態で過払い金の返還を請求された場合、過払い請求であっても、貸金業者にとっては任意整理による債務整理の申立と受け止めます。そこで一旦は「債務整理」の情報登録を個人信用情報機関へ連絡するのです。
しかしこの情報は、過払いが確定して債務が消滅した後に、「債務整理」情報は間違いであったということで抹消され、「完済」情報が登録されます。
とはいえ、手続き中は一時的にブラック状態になることから、ローンやクレジットカードの利用や審査ができなくなる可能性がるので注意が必要です。
過払い金の回収率について
過払い金の回収率とは、「引き直し計算で算出された過払い金額のうち、何割を回収できるか」ということです。
過払い金は、貸金業者が設定した違法な金利に基づいて債務者が支払った利息なのですから、法的には、全額回収つまり100%回収が可能であり当たり前といえます。
しかしネット上で、「過払い金を100%回収します」とか「過払い金を100%回収しました」といった記事を目にすることはありません。
現実の過払い金返還請求では、「過払い金を100%回収」が、なぜ当たり前ではないのでしょうか?
これには、次のような要因があることに因るようです。
・貸金業者の経営環境の悪化で、全額返済に応じられなくなっている。
・請求する側に、短期交渉での回収を期待する傾向がある。
・請求する側に、裁判をしてでも全額回収する方針がないこと
・事務所によっては、貸金業者ごとの和解基準を設定している。
これらの要因により、交渉によって過払い金を100%回収することはほとんど不可能、という実態があります。
こうしたことからどのくらい回収できるかは、貸金業者の経営体力や対応によるというよりも、弁護士や司法書士事務所の姿勢・方針に因る部分が大きいといえるようです。
なお、どの程度の回収率で和解するかの最終決定は請求者本人ですから、交渉にあたってくれる弁護士などとの連絡・調整を忘れないでください。
また、裁判による過払い金の返還請求を検討してみることも、除外すべきではありません。
クレジットカードのキャッシング利用分は過払い金がもらえる場合アリ:まとめ
過払い金請求ができる場合とできない場合
・過払い金請求ができる場合
①借金を完了している人:利息制限法の上限金利以上の金利で取引をしていた場合
②借金返済中の人:利息制限法の上限金利以上の金利で返済をした期間がある場合
・過払い金請求ができない場合
①借金を完済してから10年が経過している場合
②利息制限法の上限金利以内での取引した場合
③クレジットカードのショッピング枠の債務整理をする場合
④過払い金請求の対象である貸金業者が倒産してしまっている場合
過払い金が発生する条件と過払い金が発生する代表的カード業者
・過払い金が発生する一番の条件は、2006~2007年以前にグレーゾーン金利で返済をしていたことがある場合
・過払い金が発生する代表的カード業者は、記事参照
過払い金を請求する際の注意点
・過払い金を請求する際の注意事項は次のとおり。
①過払い金が「ショッピング枠の残高よりも多い場合」は注意が必要
②過払い金請求をしたクレジットカード会社のカードは利用できなくなる。
③クレジットカードの過払い金請求は時効に注意が必要
最近のコメント