任意整理しようかと検討中の人が知っておいた方がいい事
「任意整理しようかと検討中の人が知っておいた方がいい事」では、次の3つのテーマで「債務整理の任意整理手続き」に関連したお話をします。
- 任意整理手続きの具体的な流れを教えて!
- 任意整理で住宅ローンも減額できますか?
- ギャンブルによる借金でも任意整理は可能ですか?
任意整理手続きの具体的な流れを教えて!
この質問に対しては、任意整理手続きの流れと具体的な内容を次のとおり一覧表で示して答とします。
手続きの流れは固定的なものではないことから、あくまでも1つのパターンと受け止めてください。
任意整理で住宅ローンも減額できますか?
この質問に対しては、「任意整理の手続きでは、住宅ローンの減額はできません」というのが答です。
住宅ローンを組む場合、通常は購入する住宅にローンの担保として抵当権を設定します。
この抵当権を設定するということは、住宅ローンが払えなくなった場合には住宅を処分してその代金を住宅ローンの返済に充てる権利を、住宅ローン会社が持っているということです。
住宅ローンの減額ができないのは任意整理だけではなく、債務整理のどの手続を利用しても、住宅ローンの減額はできません。
ネット上には、個人再生手続きで住宅ローン特則(住宅資金特別条項案)という制度を利用すれば、マイホームを持ち続けながら住宅ローンを減額できるような記事が多数提供されています。
しかし、個人再生手続きで住宅ローン特則を利用しても、総返済額は変わりません。支払期間を延長してもらえることで月々の返済が楽になるだけなのです。
とはいえ、個人再生手続きを利用すれば住宅ローン以外の借金を大幅に減らし、住宅ローンはそのまま返済を続けることでマイホームを守ることはできます。
また、自己破産手続きの場合は、住宅ローンはゼロになりますが、住宅も手放さざるを得ません。
では、債務整理で無理なら、どのようにすれば住宅ローンの減額(元本の減額)が可能なのでしょう。
残念ながら住宅ローンの元本を減額する方法はありませんが、返済総額を減額する方法はあります。
それは「住宅ローンの借り換え」です。
住宅ローンの借り換えは、「総返済額を少なくする」「毎月の返済額を抑える」「将来の金利上昇リスクに備える」ために行います。
具体的には住宅ローン残高分をあらたな低金利の住宅ローン借り入れ、現在の住宅ローンを完済した後は新しい住宅ローンを返済していくのです。金利が安くなるので毎月の返済額も総返済額も抑えられます。
現在、超低金利に大きな変化が見られないことから、住宅ローンの借り換えには大きなチャンスといえるでしょう。
ギャンブルによる借金でも任意整理は可能ですか?
「ギャンブルが借金の理由であっても、債務整理は可能です」というのが、質問に対する答です。
債務整理の代表的な手続には任意整理・個人再生・自己破産がありますが、借金をした原因が問題で手続きできないのは自己破産に限られます。
自己破産は裁判所から「免責」の許可を得ることで借金の返済を免除されるという、借金の返済に苦しむ人にとっては夢のような法的救済手続きです。
それだけに自己破産手続きで免責を許可されるためには、かなり厳しい条件が求められます。
その1つが、申立人に「自己破産手続きにいたる理由に、免責不許可事由と呼ばれる事由がない」ということが必要です。
この免責不許可事由は『破産法』に定められており、その一つに「浪費または賭博」があります。
そのことから、パチンコや競輪・競馬などのギャンブルで作った借金は、自己破産手続きをすることができないのです。
しかし、任意整理手続きの場合は、借金の理由が問題になることはありません。
任意整理は債権者と債務者の話合いで、毎月の返済額・完済までの期間・遅延損害金・将来利息などについて調整する手続きです。
任意整理では、債権者にとっては「借金の理由」などよりも、「いくら返済できるか・いつまでに返済できるか」といったことが重要視されます。
この任意整理で和解が成立した場合、1つだけ注意しておかなければならないことがあります。
それは、返済期間中に一度でも返済が遅れると、債務者の期限の利益を喪失になることです。そのことで債権者からは残債の一括返済を求められたり、裁判を起こされたりする場合がありますので、返済遅れないよう注意しなければなりません。
任意整理に関して知っておきたいこと:まとめ
任意整理手続きの具体的な流れを教えて!
任意整理手続きの流れと具体的な内容を次のとおり一覧表で示してます。
手続きの流れは固定的なものではないことから、あくまでも1つのパターンと受け止めてください。記事中の「流れ図」参照
任意整理で住宅ローンも減額できますか?
- 債務整理のどの手続を利用しても、住宅ローンの減額はできない。
- ネット上には、個人再生手続きで住宅ローン特則(住宅資金特別条項案)を利用すれば、マイホームを持ち続けながら住宅ローンの削減ができるような記事があるが、これは表現誤り。
- 個人再生で住宅ローン特則を利用しても支払期間の延長で月々の返済が楽になるだけで、住宅ローンが減額(元本が減額)されるのではない。
- 住宅ローンの元本を減額させることはできませんが、「住宅ローンの借り換え」によって返済総額を減額することは可能(特に今日のように超低金利の時が効果的)
ギャンブルによる借金でも任意整理は可能ですか?
・借金をした原因が問題で債務整理手続きできないのは自己破産に限られる。
・自己破産手続きでは申立人に「免責不許可事由」があると免責されない。この免責不許可事由の一つに「浪費または賭博」があることから、パチンコや競輪・競馬などのギャンブルで作った借金は、自己破産手続きをすることができない。
・任意整理の場合に借金の理由が問題になることはないので、ギャンブルによる借金でも任意整理は可能
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