借金返済できない場合の取立てについて
「取立て」と聞くと、かつて大きな社会問題を引き起こしたころの暴力団まがいの脅迫や嫌がらせの取立てをイメージする人は多いのではないでしょうか。
たしかに、現在もヤミ金と呼ばれる一部の中小消費者金融の中には、そうした取立てを行った事例が発生することがあるようです。
しかし近年、大手の消費者金融では、そのような取立てをすることはまずありません。
貸金業法の定めに沿って、銀行やカードローンやクレジットカードと同様に紳士的な取立てが行われていると言えます。
このサイトでは、カードローンの取立てについて情報提供します。
借金返済できないで遅れた時の取立て
実際の取立ての順序や内容は消費者金融によって異なりますが、だいたい次のような順番で進んでいくケースが多いようです。
- まず、携帯に連絡が入ります。
ほとんどの消費者金融は支払期限の翌日、遅くても2~3日中には電話をかけます。
これは返済を催促する電話で、いつまでに返済できるかを確認するものです。ていねいな口調ですが、必ず「いつ返済が可能か」という点を確認されます。
なお、貸金業法に「第三者に借金の事実を知らせてはいけない」と決められているので、この段階で利用者の携帯以外に連絡が入ることはありません。 - 自宅へ督促の文書が届きます。
携帯で連絡がつかない場合、郵送で督促の文書が届きます。「親展」の郵便物です。
なお、携帯への連絡をしないですぐに督促の文書が届く場合がありますし、振込用紙を同封する消費者金融もあります。 - 携帯や文書を無視して返済しないと、自宅に電話がかかってきます。
返済遅れが続いても勤務先への電話はありませんが、自宅に電話がかかってきます。
この自宅への電話の一方で2度目、3度目の督促状が届けられます。この督促状には返済額と遅延損害金(延滞金)の返済や、遅れが重なった場合に一括返済の警告が記載されています。 - それでも返済しないと、訪問による取立てを受ける可能性があります。
かつてヤミ金業者の中心的な取立て方法は、この訪問取立てでした。しかし近年は、よほどのことがなければ訪問取立てを行っていません。
なお、一部の信販会社や消費者金融の中には、自宅へ訪問してくる場合があります。これは契約者の存在・居住確認や貸付条件変更の交渉をするための訪問です。 - 以降は取立てと言うよりも裁判手続きですから、ここでの紹介は割愛します。
借金返済できない場合でも怖がらないで!取立て行為に対する制限と法律
貸し付けた金銭の返済を求める行為を総称して、「取立て」といいます。
消費者金融の取立てに関しては暗い歴史がありますが、そうした取立てが再び行われることの無いよう法律で定めたのが、貸金業法第21条です。
そこでこのページでは、貸金業法第21条においてはどのような取立てが規制されているのか、その概要を説明します。
「貸金業者や委託を受けた者が債権の取立てをする際、人を威迫・次に掲げる言動・私生活や業務の平穏を害するような言動をしてはならない」と条文に定めたうえで、次の第1号から第10号までの言動を禁止しています。
- 第1号:早朝・深夜の電話・FAX・訪問の禁止
- 第2号:債務者が一定の対応をしている場合の早朝・深夜の電話・FAX・訪問の禁止
- 第3号:勤務先などに対する取立ての禁止
- 第4号:勤務先などから退去しないことの禁止
- 第5号:借入の事実などを第三者に明らかにすることの禁止
- 第6号:資金調達要求の禁止
- 第7号:債務者に代わって債務を弁済するよう要求することの禁止
- 第8号:債務者の家族や勤務先などに取立てに協力することを要求することの禁止
- 第9号:弁護士等からの受任通知受領後の取立て行為の禁止
- 第10号:前各号(第6号を除く)のいずれかに掲げる言動をすることを告げることの禁止
正当な理由がないのに午後9時~午前8時に債務者に電話をかけたり、FAXを送ったり、自宅を訪問したりすることを禁止しています。
債務者が積極的に一定の対応をしている場合、貸金業者はFAX・訪問は当然のこと、早朝・夜間以外の時間帯における電話による取立ても禁止しています。
正当な理由なく勤務先や自宅以外の場所に電話をかけることを禁止しています。その他、電報やFAXの送信・訪問も禁止しています。
勤務先などに対する取立てを防止するため、債務者などからこの場所から退出してほしいと告げられた場合は、その場所から退去しなければなりません。
はり紙、立看板、その他いかなる方法であっても、債務者の借入れに関する事実や私生活に関する事実を、第三者に明らかにすることを禁止しています。
貸金業者が債務者に対して、弁済資金を家族や親族、友人・知人、勤務先・他の金融機関などから借り入れるように要求する行為を禁止しています。
第三者への弁済要求等の禁止
貸金業者などが、債務者の家族・親族・友人・知人などに対し、債務者が払わないから代わりに支払ってほしい、などと要求することは禁止されています。第三者には返済義務がない上、家族や勤務先などへの返済要求は、債務者の精神・心理を圧迫・強迫する取立てになるからです。
家族や勤務先に対し、債務者の連絡先を知らせたり債権回収に協力を要求したりすることは禁止されています。
弁護士などが債務整理に関する通知を出し、貸金業者がこれを受け取った場合等において、債権者が正当な理由なく、債務者本人に取立てを行うことは禁止されています。
債務者などに対し、以上に述べてきた言動は債務者を圧迫する行為であるとして禁止されています。また、貸金業者などがそれらの行為をするとおどしたり告げたりすることも禁止しています。
違法な取立てをされたらどうすればいいの?
近年はかつての消費者金融のような、暴力団まがいの脅迫的で強制的な取立てが行われることはありません。
とは言えごく一部のヤミ金の中には、罰則覚悟で違法な取立てを行う業者があると言われています。
万一そうした取立てにあった場合にはどう対応すればいいでしょうか。
まず、念頭に置いておくべきことは、自分だけで対処するのではなく違法な取立ての証拠を揃えることと、その証拠を示して専門家や警察などに相談することです。
証拠の収集は次のように行います。
- 違法な取立てを受けた日時、具体的な文言を確実にメモしておくこと
- 電話は携帯で受け、会話を録音しておくこと
- 張り紙は現物、落書きは写真で保存し。違法な取立てが行われた日時をメモしておくこと
- 違法な訪問や電話の取り立ての際には、業者に対し、「警察に通報しますよ」と必ず宣言すること
こうした証拠集めを行いながら、次のような専門家や専門機関などに相談してから対処します。
- 公的な機関に相談する。
- 警察に通報・相談する。
- 法律の専門家(弁護士など)に相談・依頼する。
警察や弁護士に相談することに抵抗がある場合は、次のような機関に相談します。これらの機関では、今後の対処法についてアドバイスを受けられます。電話ですますのではなく証拠を持って出向き、相談したいものです。
※消費生活センター・国民生活センター・自治体の法律相談窓口・法テラス
身の危険を感じたら、迷わず警察に通報します。
警察署では24時間いつでも相談を受け付けていますので、受付で、「違法な取立てを受けているので相談したい」と言えば、担当者につないでもらえます。また、警察署がない場合は交番や駐在所でも同様に相談可能です。
弁護士や司法書士に相談する場合は、対処法の相談だけなのか具体的に対処を依頼するかを明確にしておくことが必要です。対処を依頼すると「債務整理」を頼むことですから、弁護士や司法書士は業者に対して債務整理の開始の通知を出します。その通知を受領した後は、業者は債務者への直接取立てができません。
借金返済できない場合の取立てについて:まとめ
貸金業法の改正に伴って、取立ては様変わりしている。
- かつて大きな社会問題を引き起こしたころの暴力団まがいの脅迫や嫌がらせの取立ては、近年、大手の消費者金融が行うことはない。
- ヤミ金と呼ばれる一部の中小消費者金融による脅迫まがいの取立て事例があるようだが、貸金業法に基づいて対応可能
借金返済できない場合の取立ての流れ
返済が遅れた時の、一般的な取立ての流れ
- まず、携帯に連絡が入る。
- 自宅へ督促の文書が届く。
- 携帯や文書を無視して返済しないと、自宅に電話がかかってくる。
- それでも返済しないと、訪問による取立てを受ける可能性がある。
最近は、よほどのことがなければ訪問取立てを行っていません。
なお、一部の信販会社や消費者金融の中には、自宅へ訪問してくる場合があります。
これは契約者の存在・居住確認や貸付条件変更を交渉するための訪問です。
貸金業法で禁止している取立て行為
・貸し付けた金銭の返済を求める行為を総称して、「取立て」といいます。消費者金融の取立てに関しては暗い歴史がありますが、そうした取立てが再び行われることの無いよう法律で定めたのが、貸金業法第21条です。
第1号(早朝・深夜の電話・FAX・訪問の禁止)から第10号(第6号を除くいずれかに掲げる言動をすることを告げることの禁止)が定められています。
違法な取立てをされたらどうすればいいの?
近年はかつての消費者金融のような取立てはない。とは言えごく一部のヤミ金の中には、罰則覚悟で違法な取立てを行う業者があると言われている。万一、暴力団まがいの脅迫的で強制的な取立てにあった場合には、次のように対応したい。
念頭に置いておくべきことは違法な取立ての証拠を揃えることと、自分だけで対処するのではなく、その証拠を示して専門家や警察などに相談すること
- 公的な機関に相談:消費生活センター・国民生活センター・自治体の法律相談窓口など
- 警察に通報・相談:身の危険を感じたら迷わず警察に通報。警察署がない場合は交番や駐在所でも相談可能
法律の専門家(弁護士など)に相談・依頼:弁護士や司法書士に相談する場合は、対処を依頼すると「債務整理」を頼むことうけとめられますので、相談だけなのか具体的に対処を依頼するかを明確にしておくことが必要
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