債務整理後にクレジットカードを作りたい場合の裏技
債務整理後にクレジットカードを作れないのはなぜ?いつになったらクレジットカードをまた作れるようになるの?
債務整理後は、原則としてクレジットカードを作れません。
ここでは、債務整理後にクレジットカードをつくれない理由や作れない期間などについて、次の3つのタイトルでお話します。
- 債務整理後はなぜクレジットカードを作れないの?
- 個人信用情報機関ごとの債務整理の登録期間について
- 債務整理後だけどクレジットカードを作りたい場合の裏技
債務整理後はなぜクレジットカードを作れないの?
個人信用情報機関の信用情報に事故情報が登録されるとクレジットカードが作れません。
クレジットカードの審査においては、カードローンの審査などと同じように申込者の信用情報を重視することから、信用情報に事故情報が登録されていると審査をクリアできません。
このように信用情報機関に事故情報が登録されている状態を、一般に「ブラックリストに載っている」といいます。
クレジットカード会社や信販会社などはわが国に3つある「個人信用情報機関」のうち、CIC(株式会社シー・アイ・シー)やJICC(株式会社日本信用情報機構)に加盟しています。
クレジットカード利用者が債務整理をすると、カード会社からの連絡に基づいて加盟している個人信用情報機関では事故情報を登録するのです。
なお、1つの個人信用情報機関で登録された情報は、「CRINやFINEという情報交流ネットワーク」を通じて全ての情報機関で共有されます。
クレジットカード会社の審査ではカードローンの審査などと同様に、加盟している信用情報機関に申込者の信用情報を照会します。その照会によって信用情報に金融事故情報が登録されていると、審査をクリアできません。
また、カード会社の中には、「個人再生と自己破産」について自社のデータベースを参照するケースもあるようです。
個人再生や自己破産の手続きを行った場合は、官報(破産や相続などの裁判内容が掲載される国発行の新聞)に氏名が掲載されます。
この官報情報を収集して自社のデータベースに登録し、審査の際に利用するのです。
なお、審査結果を左右する金融事故情報は「ネガティブ情報」ともいい、一般的には「延滞・任意整理・個人再生・自己破産・代位弁財」などを指します。
個人信用情報機関ごとの債務整理の登録期間について
個人信用情報機関に金融事故情報とも呼ばれる「ネガティブ情報」が登録されることを、一般的には「ブラックリストに載る」といいます。
ブラックリストに載った状態、つまり信用情報機関に登録されている期間は、クレジットカードの発行は期待できません。
どういう信用情報を何年間登録するかは、個人信用情報機関によってさまざまです。以下の通りです。
個人信用情報機関のブラック情報ごとの登録期間
以下に記載している登録期間中は、クレジットカードを利用できません。
このようにブラック情報といっても、情報項目や情報機関によってブラックリストに登録される期間は異なります。
この一覧表を見て驚く人は多いと思いますが、クレジットカード会社などが中心に加盟している信用情報機関のCICでは、自己破産以外の債務整理の情報は登録していません。
だからといって「登録されていなのだから、任意整理や個人再生の債務整理をしたのであれば審査をクリアできるだろう」と考えるのは誤りです。
カード会社の多くはCICとJICCの個人信用機関に加盟していることから、審査での信用情報の照会はJICCにも行われます。ですから、債務整理をすると5年間は新たにカードを利用できません。
KSCは銀行などが加盟する個人信用機関です。
ローンやクレジットカードなどに関する個人信用情報を扱っており、自己破産・個人再生は10年、任意整理は5年間を登録期間に設定しています。
また、KSCは任意整理についての登録期間を設定しておらず、代位弁済(保証会社から立て替え弁済)が行われた場合に、代位弁済登録機関の5年間が登録されます。そのため、代位弁済されていない場合は登録されません。
以上のように、個人信用情報機関にブラック情報が登録されると、登録期間の5~10年間はクレジットカードを作れません。
さらに注意しておかなければならないのは、カード会社によっては、独自の信用情報のデータベースを作成していることです。
このデータベースに登録された金融事故などの信用情報は「社内ブラック」と呼ばれ、どのようなことがどれだけの期間登録されているのか明らかにされていません。
一般には社内ブラック情報は永久に登録されたままであるといわれていますので、カード会社によっては債務整理後10年経過しても審査をクリアできないといったことがあり得ます。
債務整理と関係ないクレジットカードは、更新できる?
この質問に治しては、「各カード会社によって対応が異なることから、一概には言いえません」というのが答です。
債務整理と関係のないクレジットカードの利用を継続や更新できるかどうかは、それぞれのカード会社によって異なります。
債務整理から除外したクレジットカードであってもしばらくは従来どおり利用できますが、いずれ利用できなくなるのが一般的です。
たとえクレジットカードを整理対象外にしても、債務整理をした場合には、個人信用情報機関に金融事故の「ネガティブ情報」として登録されます。一般にいわれる「ブラックリストに載る」のです。
クレジットカードを整理の対象外にして債務整理をすると、その時点では利用者が債務整理を行った情報をカード会社は把握できていません。ですから、従来どおりクレジットカードを利用できるのです。
しかし、カード会社は、新規カード発行後もときおりカード利用者の利用状況を調査する「途上与信」という与信審査を行いますし、定期的にカード更新の手続きを行います。
その際、個人信用情報機関に信用情報を照会することから、利用者が債務整理をしたことがバレてしまうのです。
その結果、多くのクレジットカード会社では、そのカードが債務整理の対象かどうかに関係なく、ブラックリストに載っている利用者として以降のカード利用をストップします。
前述したとおり、カード会社によっては、債務整理の対象外であれば債務整理後も従来どおり利用可能です。
また、ブラックリストに載っていても、債務整理の対象外として取り扱われたカード会社では更新審査をクリアでき、更新カードが届く場合もあります。
毎月の返済をきちんと行っていれば、カード会社にとっては優良顧客なのです。
債務整理後にクレジットカードを作りたい場合の裏技:まとめ
債務整理後はなぜクレジットカードを作れないの?
- 個人信用情報機関のブラックリストに載るとクレジットカードが作れなくなる。
- 1つの個人信用情報機関で登録された情報は、情報交流ネットワークを通じて全情報機関で共有される。
- ブラックリストに載っている5~10年の期間中は、新たなクレジットカードを作れない。
個人信用情報機関ごとの債務整理の登録期間について
・登録期間は、ネガティブ情報の種類と一個人信用情報機関によって異なる。
・債務整理の場合の登録期間は5~10年間、債務整理以外の登録期間は1~5年間
再発行できるまでの代替案
①審査で信用情報をあまり重要視していないといわれるクレジットカード会社に申し込んでみること
②クレジットカードではなく、デビットカードを利用してみること
③債務整理後は家族会員カードの利用を検討すること
債務整理と関係ないクレジットカードは、更新できる?
・各クレジットカード会社によって対応が異なることから、一概には言いえない。
・クレジットカードを整理対象外にしても、債務整理をしたことがバレると使用できなくなる可能性が高い。
・クレジットカード会社によっては、債務整理の対象外であれば債務整理後も従来どおり利用できる可能性はある。
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