債務整理後の生活がわからず不安な方へ!債務整理体験者が解説するよ
かつての私は、クレジットカードのリボ払いでの支払いが2件、銀行や消費者金融からの借入が7件あり、いわゆる多重債務者でありました。
毎月の約定返済日のことを考えながら生活していたため、これがけっこうなストレスとなり、なんとかこの状態を解消したいと思い、ネットで無料相談に応じてくれる法務事務所を検索しました。
某法務事務所に直接メールで問い合わせを行ってから、実際に法務事務所を訪れ、無料相談しに行き、任意整理する運びとなりました。
毎月の返済について考えるというストレスから解放され、精神的に楽になり、今では法務事務所に相談に行って良かったと感じていますが、正直、任意整理を行う前の私は、大いに迷い、ためらっていたのも事実です。
なぜためらっていたのかと申しますと、ひとつは、任意整理後の生活は、一体どうなってしまうのかと、不安を感じていたからです。
現在、任意整理をお考えの方の中にも、私と同じような不安を抱いておられるのではないでしょうか。
実際に、任意整理の手続きをした後の生活がどうなるのか、詳しくはこの記事で解説していきますが、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。
過払い金請求をして個人信用情報機関に登録される!?
まず初めに、任意整理を行うと、個人信用情報機関に、任意整理を行ったという情報が記載されます。これを事故履歴と言います。
一般的にこれは、ブラックリストと呼ばれるものです。
ここで注意して欲しいのは、債務整理には、任意整理,個人再生,自己破産,特定調停だけでなく、過払い金の請求も含まれるという点です。
原則的には、過払い金請求を行ったとしても、それは事故履歴としては扱いません。
ただ、例外的に、まだ返済を終えてない状態で、司法書士や弁護士に依頼して過払い金請求を行い、実際に過払い金が発生していなかった場合は、債務整理を行ったとして処理されますので、そこは注意が必要です。
3系統の信用情報機関 事故情報の記載先は3つ
自分自身の信用情報がどう記載されているのかを知りたい場合は、各信用情報機関に問い合わせ、開示して確認することも可能です。
これを本人開示制度と言います。
記載されている情報としては、
郵便番号,氏名,住所,年齢,生年月日,性別,電話番号,勤務先,勤務先住所,勤務先電話番号,年収,勤続年数,居住年数,家族構成,現在利用しているローンやクレジットカードの返済状況,各種公共料金や携帯電話の支払い状況,奨学金の返済状況,債務整理(事故履歴)の情報などです。
また、事故履歴の記載先は、3つの機関にそれぞれ分かれております。下記をご参照下さい。
銀行系カードローンなどの事故情報が記載されるのは、一般社団法人全国銀行協会(JBA)です。旧名称KSCで、全国の銀行が会員です。
こちらの信用情報の開示方法は、郵送のみとなっております。
クレジットカード系の事故情報が記載されるのは、割賦販売法・指定信用情報機関(CIC)です。この機関は、政府より指定された情報機関であります。
こちらの信用情報の開示方法は、窓口,郵送,ネットがあります。
消費者金融系の事故情報が記載されるのは、株式会社日本信用情報機構(JICC)です。この機関は、民間の会員制情報機関です。
こちらはの信用情報の開示方法は、窓口,電話,郵送があります。
任意整理後の借入は可能か?
債務整理後、原則的には、借入することは厳しいのですが、任意整理ならば、借入することが出来たというケースもあります。
アコムやプロミスなどの大手の消費者金融からの借入は難しいですが、フクホーやライフティなどの中小の消費者金融からならば、借入することが出来る場合もあります。
(実際にフクホー、ライフティで借りれるか試したわけではありません。ネット上に借入できたという情報が存在する為にここに掲載しています。)
知名度や資金力で、大手に劣る中小の消費者金融からしてみれば、任意整理を行った者にも融資していかねば、経営自体が厳しいのだと思います。
所得状況によって異なるかと思いますが、フクホーなどでは、提出した書類が6点必要で、書類が届くまでに1週間要したという話もあるみたいなので、大手の消費者金融に比べれば、手続きが煩雑で、サービスの質もよくないかもしれません。
ですが、国に認可されていない「闇金」から借入するよりかは、国にきちんと認可されて営業しているフクホーやライフティなどの中小規模の消費者金融を利用する方が、遥かにマシだと思います。
必ずしも借入出来るとは限りませんが、任意整理後、どうしても借入が必要な場合は、こういった中小規模の消費者金融からの借入も、検討してみてはいかがでしょうか。
任意整理後に住宅ローン契約は結べるのか
生活上、どうしてもローンを組みたい場合があるかと思います。
任意整理後、住宅ローンや教育ローンを組みたい場合はどうすれば良いのでしょうか。
まずは、住宅ローンからみていきます。
〈家族名義でローンを組む〉
任意整理後、個人信用情報機関に事故履歴が記載されているため、住宅ローンを組むことは厳しいのですが、家族の名義で組むことは可能です。
但し、家族の名義でローンを組むにせよ、その家族の者が、安定した収入がなければ、審査に通過することは厳しいでしょう。
〈頭金を出来る限り多く用意して、審査に通りやすくする〉
住宅ローンを検討する際に、是非ともご参考にして頂きたいふたつの比率が存在します。それは、融資比率と返済比率です。
このふたつの比率は、住宅ローンの審査の際に、与信判断の目安となるのですが、順を追ってみていきます。
まず、融資比率です。こちらの比率は何かというと、購入したい住宅や建物の価格に対して、どれだけの借入をしているかの割合を示したものです。
例えば、5000万円の住宅があったとします。
Aさんはこの住宅を購入するために、頭金を2000万用意しました。
そして、残りの3000万円分は、ローンを組んで返済することにしました。
この場合の計算式は、3000万円÷5000万円×100=60%になり、この数字が、全体の内の融資比率となります。
一般的に、融資比率が80%以下ならば、優良顧客と呼ばれるようになりますが、つまり、頭金を20%以上積むことが出来れば、審査に通りやすくなるということです。
頭金は出来る限り多く用意することに越したことはないですが、住宅ローンを組む際の参考にして頂ければと思います。
融資比率でみると、このAさんの場合は60%ですので、優良顧客扱いとなります。
次に目安となるのが、返済比率です。
年収に対して、住宅ローンを年間にどれだけ返済しているのかを割合にして示したものです。
例えばBさんの年収が800万円であったとします。
このBさんが、月15万円の住宅ローンを組んだ場合は、年間の返済額は、15万円×12カ月で、180万円です。
この場合の計算式は、180万円÷800万円×100=22.5%となります。
この返済比率が低ければ低いほど、生活に余裕があるとみなされます。
一般的にこの返済比率が、年収の25%未満であれば優良顧客であるとされています。
Bさんの返済比率は22.5%ですので、優良顧客扱いとなります。
融資比率と返済比率。
このふたつの比率を、住宅ローンを組む際に、ご参考にして頂ければと思います。
任意整理後の教育ローンは組むことは可能か?
次に、任意整理後に、教育ローンを組むことが出来るのかを考えていきたいと思います。
まず、こどもの学資を賄うための教育ローンですが、国の教育ローンと民間の教育ローンがあります。
ここでは、日本政策金融公庫から借入することが出来る、国の教育ローンをみていきます。 (日本政策金融公庫は、政府が100%出資しています)
原則的に、こどもが1人の場合、世帯年収が790万円以下、 こどもが2〜5人の場合、世帯年収が890万円〜1190万円以下が、融資の対象となります。
申込出来るのは、6親等内の血族・配偶者および3親等内の姻族が含まれます。
こどもの両親だけでなく、祖父母や兄弟、叔父や叔母も、申込可能だということです。
融資限度額は、こども1人につき350万円です。
また、外国の短大、大学、大学院に1年以上在籍するための資金として利用する場合は、450万円が限度額となります。
債務整理後に、国の教育ローンを借りたい場合、家族の名義で申込する方法が考えられます。
具体的には、配偶者,祖父母,兄弟,叔父,叔母などの名義で申込することです。
但し、安定した収入のある人の名義を使わねば、審査に通過することは難しいでしょう。
また、連帯保証人を立てる場合は、進学者・在学者の4親等以内の親族で、源泉徴収票または確定申告書が必要となります。
こちらも連帯保証人となる人に、安定した収入があることが求められます。
奨学金制度を活用する
教育ローン以外には、奨学金制度を活用する方法もあります。
現在の奨学金は、給付型と貸与型の2タイプがあり、給付型は文字どおり、お金をもらうことが出来ますので、返済する必要はありません。
こちらも文字どおりですが、貸与型の場合は、返済義務が生じます。
貸与型を利用する場合は、家計支持者の所得が一定額以下であることやこどもの学業成績が平均水準以上であることなどの利用条件が求められますが、借り主自体はそのこどもになるため、ほぼ審査に通過します。
国の機関である日本学生支援機構の他にも、全ての地方自治体が扱っているとは限りませんが、各都道府県や市区町村が独自に設けている奨学金制度,民間の育英団体,各大学など、様々な機関が奨学金制度を実施していますので、教育ローンだけでなく、こちらの奨学金制度を活用することも、ひとつの手だと思います。
まとめ
今回は、任意整理後の借入と住宅ローン、教育ローンに関してお伝えしました。
任意整理を行った場合、完済後から約5年程度は、個人信用情報機関に事故履歴が記載されているため、新たな借入を行ったり、新たなローンを組むことは難しいという結果になりましたが、完全に道が閉ざされてしまっているというわけでもなく、中小規模の消費者金融からならば借入出来る可能性もあったり、またローンを組む際も、家族の名義ならば可能であるとお伝えしました。
ひとりひとりの置かれている状況は異なるかと思いますが、債務整理を考えておられる方は、是非この記事を参考にして頂けましたら幸いです。
最近のコメント