総量規制があなたの借金の審査に与える影響とは
カードローンの借金をしている人なら、え!?これ以上借りれないの!?とならない為に、総量規制についてシッカリ知っておいた方がいいです。
このページでは次のテーマで総量規制の話をしますので、あなたの頭の整理のご利用ください。
- 貸金業法と総量規制について
- 総量規制の適用される「貸金業者」と「対象外取引(借入)」
- 貸金業者はどのようにして申込者の借金の情報を入手するの?
貸金業法と総量規制について
「貸金業法」は1983(昭和58)年5月に成立した、消費者金融などの貸金業者や貸金業者からの借入れについて定めた法律です。
2000年代に入って「多重債務者」の増加が深刻な社会問題になったことから、これを解決するため、2006(平成18)年に抜本的な改正して段階的に施行され、2010(平成22)年6月に全面施行されました。
「総量規制」は、貸金業法の2006年の改正に伴って新たに定められ、2010年から施行された規制です。
この規制は貸金業法第13条の2に、2項に分けて定められています。
分かりやすい言葉で要約して説明すると、つぎのとおりです。
1項に「貸金業者が個人向け貸付をする際には指定信用情報機関の信用情報を使用して返済能力の調査をし、その貸付が返済能力を超えるときには、過剰貸付をしてはならない」と定めています。
2項に「過剰貸付とは、内閣府令で例外・除外として定めている貸付残高を除いても、年収の3分の1を超える貸付のことをいう」と定めています。
つまり、総量規制は「貸金業者が個人に貸付をする場合には指定信用情報機関の信用情報を利用して返済能力を調査し、貸付残高が年収の3分の1を超える場合の貸付を禁止する」との規定なのです。
なお、総量規制に違反して貸付を行った業者に対しては、業務指導や業務停止などの行政処分の罰則が科せられます。
総量規制の適用される「貸金業者」と「対象外取引」
総量規制は貸金業法の定めですから、適用されるのは貸金業者に限られます。
ところで、あなたは、「貸金業者」とはどのような業者のことか知っていますか?
貸金業法の対象となる「貸金業者」とは、内閣総理大臣または都道府県知事の許可を受けて登録され、金銭の貸し借りの仲介を行う業者のことです。
登録を受けるには、国家試験である貸金業務取扱主任者資格試験に合格して主任者登録を完了した「貸金業務取扱主任者」を、必ず配置するなどの条件を満たす必要があります。
現在、貸金業者として登録されている業者は実に多種多様で、主に次のような業者です。
- 消費者金融:個人に金銭を貸し付ける貸金業者のことで、代表例はアコム・プロミス・アイフルなどです。
- 事業者金融:個人事業主や中小企業の経営者を対象に、ビジネスローンや商工ローンと呼ばれる事業資金を貸し付ける貸金業者のことです。代表例はビジネクスト・ビジネスパートナーなどです。
- クレジットカード会社:クレジットカード発行を行う会社です。クレジットカードにはキャッシング機能が付いていることから、貸金業者の登録が必要です。代表例はオリコカード・セゾンカード・三菱UFJニコスなどです。
- ④リース会社:利用者が選んだ商品を購入して長期間貸出サービスをする会社です。形態が融資と非常に似ているため、リース会社は貸金業者に分類されます。代表例は三菱UFJリース株式会社・東銀リース株式会社などです。
これらの業者が「貸金業者」と呼ばれ、貸金業法の適用を受けます。
貸金業法の適用を受けるということは、登録の義務がありますし貸付に関しては総量規制が適用されるということです。
総量規制は、貸金業者の「貸付残高が年収の3分の1を超える個人への貸付を禁止」しています。
借金をする側から表現すれば、「借入残高が年収の3分の1を超える貸金業者からの借入は禁止」されているのです。
しかし、総量規制の適用に当たっては、総量規制の「除外」や「例外」とされる取引があります。
「除外」とは、総量規制から除外される取引で、総量規制の対象にならない取引を指します。
そのことで、年収に関係なく借入をすることが可能です。
- 住宅ローン
- カーローン(自動車担保貸付)
- 高額療養費の貸付
- 手形割引を内容とする貸付
- 売却予定不動産の売却代金により弁済される貸付
- 有価証券担保の貸付
- 金融商品取引業者が行う500万円を超える一定の有価証券担保ローンなど
次に「例外」とは、総量規制の残高に算入することから一時的に年収の3分の1を超えるが、違法とされない取引です。
具体的には次のような貸付です。
- 顧客に一方的に有利となる貸付(おまとめローン)
- 配偶者と合算すると年収の3分の1以下の貸付(配偶者貸付)
- 緊急で必要になった費用を支払うための資金の貸付(緊急の医療費の貸付けなど)
- 新たに事業を行う個人事業者に対する貸付(ビジネスローン)
- つなぎ資金にかかわる貸付
これらの取引については総量規制の適用除外ですから、借入残高が年収の3分の1を超えても消費者金融から借り入れることが可能です。
貸金業者の審査
貸金業者が申込者の借金状況を詳細に調査・審査するのは、主に次の2つが理由によるものです。
- 申込者の返済能力と信用度を的確に判断し、不良債権発生のリスクを回避する。
- 貸金業法で、指定信用情報機関の信用情報による申込者の「返済能力の調査」を義務付けられている。
借金に係わる個人の情報は、借入先からの連絡で信用情報機関のデータベースに登録されます。
登録されている情報は、大きくは2種類です。住所や電話番号などのような「属性情報」と、奨学金や携帯電話の機器代金などあらゆる借金に係わる履歴や事故などの「信用情報」です。
正規の貸金業者の登録をしている貸金業者は、わが国に3つある信用情報機関のいずれかに加盟していますから、申込者の借金状況はそれぞれが加盟している信用情報機関から収集します。
そうであれば、異なる信用情報機関に加盟しているカードローンに申し込めば、正確な信用情報が入手できないと思うかもしれませんが、そうではありません。
実は、3つの信用情報機関情報はネットワークでつながっており、いずれかの信用情報機関に登録された情報は、他の信用情報機関にも共有されます。
とくにブラックを含むマイナス情報は、100%共有化されることを覚悟してください。
貸金業者は、たとえ誤りやウソの借金の情報を申告されても、自社が加盟している信用情報機関に照会することで正しい申込者の借金の情報を入手できるのです。
総量規制があなたの借金の審査に与える影響とは:まとめ
貸金業法と総量規制について
・「貸金業法」は1983(昭和58)年5月に成立した消費者金融などの貸金業者や貸金業者からの借入れについて定めた法律で。2010(平成22)年6月に全面施行
・「総量規制」は、貸金業法の2006年の改正に伴って新たに定められ、2010年から施行された過剰貸付の規制
総量規制の適用される「貸金業者」と「対象外取引」
・「貸金業者」とは、内閣総理大臣または都道府県知事の許可・登録され、金銭の貸し借りの仲介を行う業者のこと
・貸金業者として登録されているのは消費者金融、事業者金融、クレジットカード会社、リース会社など。
・総量規制の適用に当たっては、「例外」や「除外」とされる取引がある。
・「除外」とは総量規制の対象にならない取引で、年収に関係なく借入が可能な次のような貸付
①住宅ローン
②カーローン(自動車担保貸付)
③高額療養費の貸付
・「例外」とは残高に算入することで年収の3分の1を超えるが、違法とされない次のような取引
- 顧客に一方的に有利となる貸付(おまとめローン)
- 配偶者と合算すると年収の3分の1以下の貸付(配偶者貸付)
- 緊急で必要になった費用を支払うための資金の貸付(緊急の医療費の貸付けなど)
- 新たに事業を行う個人事業者に対する貸付(ビジネスローン)
- つなぎ資金にかかわる貸付
貸金業者はどのようにして申込者の借金の情報を入手するの?
・貸金業者が申込者の借金状況を調査や審査するのは、主に次の2つが理由
- 申込者の返済能力と信用度を的確に判断し、不良債権発生のリスクを回避する。
- 貸金業法で、指定信用情報機関の信用情報による申込者の「返済能力の調査」を義務付けられている。
・借金に係わる個人の情報は、借入先からの連絡で信用情報機関のデータベースに登録される。
・登録されている情報は、大きくは2種類で、「属性情報」と「信用情報」
・正規の登録をしている貸金業者は、加盟している信用情報機関から申込者の借金の情報を収集
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