自己破産すると携帯持てない?生命保険は?そんな不安はいりません!
自己破産すると・・・どうなるの?
自己破産に対してイメージが悪い人が多いので、実際に自己破産して受けるダメージについて、実際以上のものを想像してしまう人が大半ですが、自己破産後のダメージは驚く程少ないものです。
自己破産の不安を払拭していただく為に、以下の3つのテーマでお話します。
- 自己破産の手続きをしても、なくならない借金があるの?
- 自己破産すると生命保険ってどうなるの?
- 自己破産すると携帯電話はどうなる?
自己破産の手続きをしても、なくならない借金があるの?
この質問に対する答えからいえば、自己破産をしてもなくならない借金があります。
一般的には、自己破産をすると借金がすべてなくなると言われていますが、これは「正解」とはいえません。
実は、たとえ自己破産の手続きをしても、なくならない借金(非免責債権という)があるのです。
自己破産の手続きで債務者が借金の支払いを免責(免除)されるためには、裁判所による次の2つのステップをクリアしなければなりません。
1つは「破産手続き開始決定」です、申立人が破産手続きをしなければならないほどの状況なのかどうかを、本人の認識だけではなく客観的資料によって裁判所が確認する手続きです。
この手続きで申立人が借金返済の不能状態であると認められると、破産手続きが開始されます。
他の1つは「免責許可の決定」です。「免責許可申立書」の内容を、一定の基準として設定されている「免責不許可事由」に該当するかどうかを裁判所が判断する手続きです。
申立内容に免責不許可事由に該当しなければ、免責が認められ、法律上の借金返済義務を免れます。
なお、「免責許可の決定」に使用される基準である「免責不許可事由」は、破産法252条1項で定められている11の理由です。
この2つのステップをクリアすると基本的には法律上の借金返済義務を免れますが、すべての借金が返済義務を免れるのではありません。
例外的に、質問にあるように「自己破産の手続きをして、もなくならない借金」、つまり免責されない借金があるのです。
この借金を「非免責債権」といいます。
「非免責債権」は、破産法253条1項に定める次の7つの借金です。
- 滞納分の租税債権等(固定資産税、住民税、健康保険税、年金、上下水道利用料金など)
- 横領や着服など悪意を持った不法行為や不法行為にもとづく損害賠償請求権
- 危険運転致死傷罪のような人の生命や身体を害する不法行為
- 夫婦関係や親子関係にもとづいて支払い義務のある婚姻費用や養育費の分担義務
- 雇用関係にもとづいて発生した従業員などの未払給与などの使用人による債権
- 知っていながらあえて債権者名簿に記載しなかった債権
- 交通違反や刑事罰など罰金等の請求権
上記の「非免責債権」が、自己破産をしても免責されない借金です。
分かりにくい文言が多いので、詳細な情報を希望する人はネットで確認してください。
自己破産すると生命保険ってどうなるの?
自己破産すると、破産した時点の保有している20万円以上の財産は、全て換価(財産などを金銭にかえること)の対象財産(破産財団という)として処分されます。
しかし、20万円未満の換価に値しない財産は、破産財団に含まれない財産(自由財産)として処分しません。
預貯金や不動産などは個人の財産としてわかりやすいのですが、実は、「生命保険も財産」と見なされてしまう場合があります。
具体的にいえば、生命保険が財産と評価されるのは、20万円以上の「解約返戻金」がある場合です。
地方裁判所のなかには、生命保険解約返戻金の見込額が20万円未満の生命保険解約返戻金請求権は、自由財産の拡張基準で、一律に自由財産として取り扱っています。
このことは、解約返戻金見込額が20万円未満の生命保険は解約する必要がないということです。
このページでは、質問に対する答えとして、生命保険解約返戻金の見込額が20万円以上の場合と20万円未満の場合に分けて取扱いを解説しましょう。
①解約返戻金の見込額が20万円以上の場合
解約返戻金の見込額が20万円以上の生命保険の解約返戻金請求権は破産財団と見なされますから、強制的に解約されてしまうので加入し続けられません。
生命保険は破産管財人によって解約され、解約金は債権者に配分されます。
なお、手続き中に解約されても、自己破産中や手続き後に、新ためて生命保険への加入は可能です。
生命保険の契約はブラックリストなどの借金に関する信用情報とは全く関係がないことに因ります。
もし、自己破産の手続きで生命保険が解約されたら、別の生命保険に入り直せばいいのです。
②解約返戻金の見込額が20万円未満の場合
解約返戻金の見込額が20万円未満の生命保険の解約返戻金請求権は自由財産と見なされますから、強制的に解約されることなくそのまま生命保険に加入し続けられます。
以上が自己破産手続きでの生命保険の取扱いです。
ここでは1つの生命保険に加入しているケースで記述ですが、複数の生命保険に加入しているケースにおいても同様に取り扱われます。
たとえば,①・②の2つの生命保険に加入していて、①の保険の解約返戻金見込額が18万円、②の保険の解約返戻金見込額が9万円としましょう。
①も②も解約返戻金見込額が20万円未満ですから、このまま生命保険に加入し続けられそうに思われます。
しかし、①と②の解約返戻金見込額を合算すると27万円の返戻金見込があるので、①も②も換価処分(解約)が必要です。
自己破産すると携帯電話はどうなる?
質問に対する答えからお話します。
処分されることはない自由財産ですので、携帯電話は持ち続ける事ができます。
スマートフォンに代表される近年の携帯電話の機器代金は、非常に高額です。
ですから、圧倒的に多くの人は、機器代金を毎月の回線使用料と一緒に分割で支払う割賦契約で購入しています。
このことから、自己破産の手続きの際の携帯電話の機器代金は借金とみなされ、破産債権として計上しなければなりません。
破産手続きに入るとの連絡を受けた携帯電話会社では、機器代金だけを破産債権として計上することは認めるケースが多く、利用停止や解約を求めることはまれですからご安心ください。
とはいえ、通常の利用料金を延滞している場合は、ほぼ間違いなく利用停止や解約を求められます。
破産債権として計上すれば、換価して債権者に配分されるのではないかと思うかもしれませんが、その心配はありません。
20万円未満の換価に値しない財産は破産財団に含まれない財産(自由財産)と見なされるので、処分されることはないのです。
携帯電話会社次第といった面はありますが、交渉のプロでもある弁護士や司法書士にまかせておけば、ほぼまちがいなく携帯電話を継続して使用できます。
ただし、回線使用料の返済遅延などをしていないことが条件です。
自己破産の手続きにおける携帯電話の取扱いに関して、債務者はさまざまな要望を持っていますし心得ていなければならないことがあります。
ですから委任する弁護士や司法書士と事前に十分に調整することを忘れないでください。
どこに債務整理を依頼すればいいのかわからなくなる…
消費者である我々は、派手に広告を打っているところにフラッと行くのではなくちゃんと比較して、いいサービスをやっているところに債務整理を依頼する事が大事ですね。(もし債務整理する必要があれば、ですけど)
債務整理を依頼、相談する際のポイント
債務整理は1に費用面2に信頼性が大事です。
費用面、信頼性から考えて、債務整理するなら全国対応型法律事務所がいいです。
自己破産すると携帯持てない?生命保険は?そんな不安はいりません!:まとめ
自己破産の手続きをしても、なくならない借金があるの?
- 一般に自己破産をすると借金が全てなくなると言われているが、自己破産をしてもなくならない借金がある。
- 借金の支払いを免責(免除)されるためには、裁判所による「破産手続き開始決定」「免責許可の決定」の2つのステップをクリアすることが必要
- 自己破産の手続きをしてもなくならない借金、つまり免責されない借金がある。この借金を「非免責債権」という。
自己破産すると生命保険ってどうなるの?
生命保険は解約返戻金によって次のとおり取り扱われる。
①解約返戻金の見込額が20万円以上の場合:解約返戻金請求権は破産財団と見なされるので生命保険は破産管財人によって解約され、解約金は債権者に配分される。
②解約返戻金の見込額が20万円未満の場合:解約返戻金は自由財産と見なされるので、解約されることなく加入し続けられる。
自己破産すると携帯電話はどうなるの?
- 自己破産の手続きでは、携帯電話の機器代金は借金とみなされるので破産債権として計上が必要
- 機器代金が破産債権に計上されても利用停止や解約を求められることはまずないが、通常の利用料金を延滞している場合は、ほぼ間違いなく利用停止や解約を求められる。
- 携帯電話の機器を破産債権として計上しても20万円未満の自由財産と見なされるので、換価して債権者に配分されることはない。
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