自己破産する前に任意売却した方が得!
自己破産とは、裁判所が債務者を「支払い不能」と判断した際に、「当該債務者の全ての債務をゼロにする手続き」です。
また、任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合に、債権者の承諾を得て法的手続き(競売)によらないで売却し、その代金によって残債務を解消する方法です。
このページでは自己破産前に任意売却した方が得かも!?と思って調べてる人に向けて、「自己破産と任意売却」をテーマに、以下の3つのタイトルのお話をします。
- 任意売却と自己破産の関係について
- 任意売却のメリットとデメリット
- 自己破産前に任意売却すると免責されないって本当なの?
このページを読んでいただければ、債務整理をするのに、自宅をどうしようか?という悩みはなくなると思います。
金額の大きな選択ですので、よくご覧になっていただければと思います。
任意売却と自己破産の関係について
自己破産は「債務者が支払い不能者である」と判断して「免責許可」をした場合に認められ、借金の返済を免除される手続きです。ただし、債権者が所有している一定の価値のある財産はすべて全て没収して換価され、債務の返済に充てられます。
そのことから、自己破産をするのであれば「競売」か「任意売却」かのいずれかの方法でマイホームの処分をしなければなりません。
「競売」は法的な手続きです。金融機関が債務者からある一定の期間返済を受けられなかった場合、債権を回収するために、債務者が所有する不動産や担保物件の売却を裁判所に申し立てます。
それが認められると裁判所は担保物件を差し押さえて、裁判所の管理下で強制的に売却されるのです。
競売にかけられてしまうとそこに債務者の意思が入り込む余地はなく、競売物件は市場価格の5~7割程度で売却されてしまいす。
そこで、自己破産手続きで競売の処理をされる前に、債権者の承諾を得て、専門業者に競売より高い価格で住宅を売却することを依頼します。これが任意売却で、売却で得た資金はすべて住宅ローンの返済に充当しますが、これは特定の債権者だけに優先的に返済する偏頗弁済には当たりません。
こうした任意売却と自己破産は、大きくは次の3つの関係を構成しています。
①任意売却で自己破産の「免責許可」が得られなくなる場合があり、その場合は他の債務整理手続きへ変更
②任意売却後も住宅ローンの債務や他の借金が残る場合は、任意売却が完了後に自己破産手続きへ移行
③自己破産を進めながら任意売却を行う。
自己破産の場合は必ず任意売却を行うものと思っている人も多いようですが、そうではないことを知っておいてください。
任意売却のメリットとデメリット
住宅ローンの返済に困った場合、任意売却は債務者にとって非常に効果的な手続きです。完全に返済不能に陥った場合、住宅は法的な手続きによって差押えられ、競売にかけて売却処分されます。
しかし任意売却の場合は、競売によって市場価格よりもはるかに低価格で売却されません。これだけではなく、任意売却にはさまざまなメリットとともに、デメリットもあります。
このサイトでは、任意売却のメリットとデメリットを列挙して紹介します。
(1)任意売却のメリット
①金銭面のメリット
・自宅を売却し、資産がない状態になってから自己破産をすれば、破産にかかる費用が安い。
・交渉により、引越し費用最高30万円を売却代金から融通してもらえる可能性がある。
・抵当権の抹消費用や売却手数料の持ち出し負担がない(自宅売却代から諸経費を支払う)。
・持ち出し費用がゼロである。
②残債務のメリット
・市場相場に近い価格で売れるので、残債務を圧縮できる。
・残債務を無理なく返済できるよう、分割返済の話し合いに対応してくれる。
・残債務の支払いを毎月無理のない範囲で行えるので、自己破産を回避できる可能性がある。
③精神的なメリット
・いつ、誰に、いくらで売却するか、債務者の意志や意向を反映した形で売却してくれる。
・任意売却は通常の売却と同様の売却方法なので、周囲や近隣に事情を知られずに売却することが可能
・競売のケースのような、たくさんの不動産業者などが頻繁に下見に訪問するようなことがない。
④その他のメリット
・自己破産手続きが終了するまでの時間が短い。
(2)任意売却のデメリット
任意売却の主なデメリットは次のとおりです。
・債権者の同意がなければ任意売却をできない。
・あえて数カ月(3~6カ月)、住宅 ローンの支払いを止めて滞納することが必要
・滞納することで個人信用情報機関のブラックリストに載る。
・ブラックリストに載ることで、最低5年はローンやクレジットカードは利用できない。
・時間に限りがあるので、必ず売却できるとは限らない。
・依頼する任意売却業者のレベルによって、「売却の成否」や「売却額」が大きく左右される。
・内覧に立ち会う必要がある。
・たいていの場合、住宅ローンが残る(残債務)。
・地域や近隣関係によっては、暮らしにくくなる場合がある。
・連帯保証人に迷惑がかかる。
自己破産前に任意売却すると免責されないって本当なの?
この質問に対しては、「違法でない任意売却であれば自己破産の免責不許可事由にはあたらないことから、免責されないということではありません」というのが答です。
では、どのような任意売却をすると、裁判所から免責されないのでしょう。
①債権者の許可を得ないで行った任意売却
②詐害行為と見なされる任意売却
③偏頗弁済と見なされる任意売却
それぞれについて、要約して解説しましょう。
①債権者の許可を得ないで行った任意売却
所有権は債務者が持っているの、債務者が売却したいと思えば自由に売却できるはずですが、任意売却には債権者の承諾が必要です。これは、住宅に設定されている抵当権を解除しなければならないことに因ります。
抵当権が設定されていても抵当権に売買を無効にする効果はないので、法律的には何ら問題ありません。しかし、実際には、抵当権が設定されているマイホームには買手は付かないのです。
②詐害行為と見なされる任意売却
破産法では免責不許可要因の1つとして、「詐害行為」を定めています。この詐欺行為とは、簡単にいうと「差押えや処分を免れるために、財産を隠したり譲渡、売却処分したりすること」です。
ですから、自己破産前に、マイホームを知人名義に変更して隠匿したり勝手に売却したりすることは、詐害行為と見なされ免責されません。
③偏頗弁済と見なされる任意売却
特定の債権者にだけ偏って返済することを偏頗弁済といい、債権者平等の精神に反する行為として免責不許可事由に当たります、
しかし住宅に抵当権がついた住宅ローンの場合、住宅を売却してその資金を住宅ローンの返済に充てたとしても、それは偏頗弁済とは見なされません。
ただし、売却してその資金を住宅ローンの借入先だけではなく、他の貸金業者にも返済を行った場合は偏頗弁済とは見なされ、自己破産が認められないので注意してください。
自己破産と任意売却:まとめ
自己破産前に任意売却した方が得かも!?と思って調べてる人はちょっと待って下さい!
住宅ローンが残っていると任意売却したら自己破産で分配するはずの資産を偏って返済した事になってしまい(偏頗弁済)、自己破産が自体が認められなくなる可能性があります。
自宅を残したまま債務整理したいなら、個人再生の方向で考えるのがベストです。
そもそも、自己破産か個人再生かを調べているのなら、法律事務所の無料相談を受けた方がその辺りの事も基本から説明してもらえるので、状況に対した最適解を出すのが早くなります。
任意売却と自己破産の関係について
・任意売却と自己破産は、大きくは次の3つの関係を構成します。
①任意売却で自己破産の「免責許可」が得られない場合は他の債務整理手続きへ変更
②任意売却後も住宅ローンの債務や他の借金が残る場合は、任意売却が完了後に自己破産手続きへ移行
③自己破産を進めながら任意売却を行う。
任意売却のメリットとデメリット
・任意売却のメリットとデメリットについては記事参照
自己破産前に任意売却すると免責されないって本当なの?
・任意売却をすると裁判所から免責されないケースは次のとおり。
①債権者の許可を得ないで行った任意売却
②詐害行為と見なされる任意売却
③偏頗弁済と見なされる任意売却
借金返済が難かしくなっている、でも自宅不動産をどうすればいいかわからない、そういう場合は、法律事務所の借金無料相談で聞いてみられるのがベストです。
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