借金を返せなくて延滞するとどうなるのか
ウッカリであれ意識的であれ、約定日に返済ができないことを「遅延」や「延滞」と言います。
では、返済を遅延や延滞するとどのような流れで、どのようなペナルティーがあるのでしょう?
このページでは「借金を延滞するとどうなるのか?」をテーマに、次の3つをお話します。
- 借金の「遅延」や「延滞」について
- 借金返済できなくて延滞したらどうなる?
- 借金返済できず、延滞した時のペナルティーは?
借金の「遅延」や「延滞」について
借金の「遅延」や「延滞」は基本的に同じ意味で使用される言葉で、どちらも約定日の返済が遅れることを言います。
カードローンの取引では約定日に返済が遅れた場合を「遅延」と言い、61日以上または3カ月以上返済が遅れている場合を「延滞」と言うのが一般的です。信用情報機関においても、長期間遅れた場合は「延滞」として記録されます。
延滞になったら?
貸し手は利用者からの返済が遅れると、まずは電話や文書での催促をします。
それらを行っている期間中は遅延として内部情報で止まっており、信用情報機関への連絡はしないのです。
ですから遅延の状態では、信用情報機関のブラックリストに載ることはありません。
しかし、一般的には遅延が61日以上または3カ月以上続くと、カードローン提供会社は、加盟している信用情報機関に「長期滞納(延滞)」として登録するよう連絡します。
このようにして延滞の情報が信用情報機関に登録された状態が、一般に「ブラックリストに載った」と言われる状態です。
今、国内には3つの信用情報機関があり、延滞などのブラック情報はその3つの信用情報機関で共有されます。
一旦3か月延滞がついてしまうと、登録期間の5年間(信用情報機関によって異なる)は、カードローンなどの審査に落ちてしまうようになります。
借金返済できなくて延滞したらどうなる?
約定日に返済しないで遅延・延滞に至る場合、貸し手は、一般的に次のような流れ(手順)で債権の回収の手続をすすめます。
①約定返済が遅れると、翌日には携帯に催促の連絡が入る。
・返済が遅れる場合は、遅れる理由と返済できる日程を事前に連絡しておくことが必要
・電話は午前8時~午後9時以外の時間帯に、頻繁に掛かってくる。
②約定返済が遅れて数日後にハガキで催促の連絡が届く。
・新たな返済日を指定される場合がある。
③5~7日ぐらい経てば、自宅の固定電話に個人名で催促の連絡が入る。
・銀行の場合は銀行名が使用される。
④自宅への電話を無視していると、次は勤務先に電話が入る。
⑤電話やハガキを無視していると、自宅に督促状が届く。
・連絡がとれない状態が3週間程度経過すると、中小の消費者金融では自宅訪問を行うことがある。
⑥1カ月程度経過すると再び督促状が届く。
- この督促状とともに、遅延損害金を加算した借金残金の一括請求書が同封されている。
- 督促状には「記載してある期限までに返済を行わなければ法的措置に移行する」といったことが記載されている。
- この督促状はいわば「最終警告」で、返済しないと裁判所の手続きをされることになる。
1ヶ月遅れるとこんな督促状が送られてきました。
(注;シロウに送られてきたある会社の督促状を参考にして作りました)通告書
弊社が貴方に対して有する下記の債権につき、本日迄お支払いがありません。つきましては
下記お支払い期限内にご請求金額をご契約のお口座にご入金下さい。
尚お支払いがない場合には、ローンの残高を一括でお支払いいただくことになります。
以上、通告申し上げます。(以下請求金額の表示)
この督促文の中で”ローンの残高を一括でお支払いいただくことになります”とありますがこれはただの脅しです。一ヶ月分を支払えない客に対していきなりに一括での支払いを命じることはありえません。無理な一括請求はトラブルにつながるという事を知っているので遅れた一ヶ月分を支払えば、何も問題ありません。ここから更に1ヶ月半までは延滞しても信用情報機関に名前が載ることはありません。名前が載るのは3ヶ月延滞からです。
2ヶ月遅れるとこんな督促状が送られてきました。
通告書
弊社が貴方に対して有する下記の債権につき、本日迄お支払いがありません。つきましてはかねてより通告致しました通り、
リボルビング及び分割払いによる利用代金の総残高、各種ローンのご利用がある場合にはローン残高を一括にてご請求させていただきます。
貴方の氏名、及び延滞の状況等を弊社が加盟する信用情報機関へ登録すると共に貴方に対する債権を法的手続きをもってご請求させて頂きます事をあらかじめご承知下さい。
ただし、お支払い期限内に下記債権を完済頂ければ上記手続きを回避させて頂きます。以上本書面をもちまして通告させていただきます。
さすがに2ヶ月遅れるといい感じですね(笑)素敵な文章です。
文中”貴殿の氏名、及び延滞の状況等を弊社が加盟する信用情報機関へ登録する”とあります。これが、マズイ!です。
一度三ヶ月延滞の情報が信用情報機関に載ってしまうと、延滞した債権を完済するまで一般のサラ金等の金融機関での借入れができなくなります。
延滞した債権を完済したとしても1年間の間、信用情報機関に過去延滞して、それが解消されたというデータが残ります。
延滞が解消したというデータだけなら貸してくれる金融機関はありますが、やはり審査時には敬遠されるようになり、信用状態は悪化する事になります。
つまり3ヶ月ギリ、いや安全の為に2ヶ月半まではなんとか支払いが滞っても信用情報は傷つきません。
3ヶ月以降の延滞は他社で借りて返済するという自転車操業ができなくなります。それ以上借りようとして他の会社に申込をしても、審査に通らず、徒労に終わるだけになります。
延滞の限界は3ヶ月です。
⑦一括請求書を無視していたら、滞納開始から2~3カ月後に、カードローン会社、消費者金融は裁判所に訴えを起こす場合もある。
- 裁判所への訴えは裁判カードローン提供会社ではなく、債権回収業者が行う場合もある。
- 簡易裁判所や地方裁判所から「特別送達郵便」で訴状や口頭弁論期日への呼び出し状などが送られてくる。
- 裁判所に行かなかったら、債権者の申立内容を一方的に認める判決が言い渡される。
- 裁判所への訴えは「給与の差押え」と「全額返金」の2パターンのいずれか。
借金返済できず、延滞した時のペナルティーは?
約定日に返済が行われないと、「返済が確認できなかったとの通知と返済催促のハガキ」が届きます。
このハガキは銀行系カードローンの場合は「保証会社」から、消費者金融系カードローンの場合は当該消費者金融から送られてくるものです。
この督促を受けても返済しない利用者に対しては、契約違反として次のような3つのペナルティーが科せられます。
1つ目は「遅延損害金の発生」です。
遅延損害金とは「借金の返済が滞ったことに対する損害賠償」で、返済の遅延や延滞の代表的なペナルティーと言われます。
この遅延損害金は利息と同じように、遅延・延滞期間における「元金に対する一定の割合で算出」されるものです。
遅延や延滞したのは約定返済日に返済すべき返済金なのだから、遅延損害金は約定返済額に対する損害と思っている人が多いようですがそうではありません。元金残高を対象に計算されます。
遅延損害金の法的な上限は年率20%ですが、実際の遅延損害金の年率は銀行系カードローンも消費者金融系カードローンもほぼ同じです。限度額に関係なく、カードローンの金利よりも高い18~20%で設定されています。
たとえば借入残高30万円・遅延損害金年率20.0%のカードローンを2週間(14日)遅延すると、2,000円を超える額になります。
2つ目は「信用情報機関のブラックリスト載ること」です。
カードローンでの借金を返済できないと、遅延損害金を支払うだけでは済みません。
2カ月から3カ月以上の延滞が続くと個人信用情報機関に登録され、いわゆるブラックリストに載った状態を招きます。
この情報は3つの信用情報機関で共有されるので、カードローン提供会社やクレジットカード会社などで新たに契約を申し込んでも審査をクリアできない状態に陥るのです。
そうした状態が登録された情報が抹消されるまでの5年程度も継続するのですから、大きなダメージにつながってしまいます。
3つ目は「利用停止や一括請求につながること」です。
支払いが遅れると、せっかく契約したカードローンであっても利用停止されてしまったり一括請求されてしまったりします。1~2回の遅延でカードローンの利用停止や一括請求のペナルティーはないと思っている人が多いようですが、契約上は、そうしたペナルティーを科せられても仕方がないのです。
なお、延滞や放置が3カ月以上経過すると、カードローン会社、消費者金融から「給与の差し押さえ」「全額返済」などを求める訴えが裁判所に提出されます。
ですが、延滞の本当のデメリットはブラックリストに載ってしまい、延滞した金額を完済して5年~10年経過するまで借金する事やクレジットカードが利用できなくなることです。
- 借金の「遅延」や「延滞」について
- 借金返済できなくて延滞したらどうなる?
- 借金返済できず、延滞した時のペナルティーは?
借金を返せなくて延滞するとどうなるのか ;まとめ
借金の「遅延」や「延滞」について
- 約定日の返済の遅れを「遅延」と言い、61日以上または3カ月以上の遅れを「延滞」という=長期延滞という異動
- 遅延として取り扱う期間は、あくまでカードローン提供会社が判断すること。
- 延滞などの情報が信用情報機関に登録された状態が、一般に「ブラックリストに載った」と言われる状態
- 3つの信用情報機関があり、延滞などのブラック情報は共有される。このことで登録機関の5年間(信用情報機関により異なる)は、カードローンなどの審査をクリアすることは困難になる。
借金返済できなくて延滞したらどうなる?
・サイト内の記事を参照されたい。
借金返済できず、延滞した時のペナルティーは?
・督促を受けても返済しない利用者に対しては、契約違反として次のような3つペナルティーが科せられます。
- 「遅延損害金の発生」
- 「信用情報機関のブラックリスト載ること」
- 「利用停止や一括請求につながること」
延滞の本当のデメリットはブラックリストに載ってしまい、延滞した金額を完済して5年~10年経過するまで借金する事やクレジットカードが利用できなくなることです。
これは私の見解ですが、3か月以上延滞してしまって信用情報ブラックになってしまったなら、債務整理をして借金を3年以内で終わらす目処をつけるのがいいと思います。(以下の法律事務所で電話相談を受けると無料でわかりやすく説明してもらえます。)
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