少しでも安くカードローンを利用したいことから、借入希望者の多くは金利に注目します。
しかし利息の計算方法を理解していないことから、具体的な金額で利息を確認したうえで申し込む人は非常に少ないようです。
このサイトでは、金利や利息計算方法を分かりやすく紹介しますので、ぜひあなたの知識に加えてください。
金利、利率、利息、利子、年利、年率の違い!
金利についての情報を提供する前に、ネットのQ&Aサイトでも多数取り扱われている似かよった用語の意味を解説しておきましょう。
- 金利:金利は借入金に対する利息の割合(表示には「%」を使う)を示す用語で、いわば手数料です。
- 利率:金利とほぼ同じ意味で使われる用語です。
- 利息:利息は借入金に金利を乗じて得られる額を示すもので、金銭を借りた側から表現する用語です。
- 利子:利子は利息と同じ意味で使われ、金銭を貸し付けた側からする用語です。
- 年利:年利とは1年間の金利のことで、金利や利率と同じ意味で使われる用語です。
- 年率:1年当たりで見た増減率のことを表現する用語です。
なお、カードローンの情報サイトでは、「実質年率」という用語をよく目にします。
この実質年率とは、金利と受け止めてもいい用語です。
カードローンで借入を実現するまでには審査や書類作成など、さまざまな費用がかかります。
そうした費用は利用者が負担することになるのですが、申込者ごとに費用を計算して請求するのは困難です。
そこでカードローン提供会社では、法律に基づいて諸費用をあらかじめ金利に含めます。
このように「諸費用を含んだ金利」のことを実質年率と言うのです。
そもそも金利ってなに?
借金をすると、一般的には借り入れた金額に加えて「利息」を支払います。
この利息がいくらになるのかを計算するときに使うのが「金利」です。
この金利とは、そもそも何なのでしょうか?
カードローンなどでの借入の場合、金利は「15.0%」「18.0%」といったように割合をあらわす「%」で示されます。
たとえば金利が15.0%であれば、借りた金額に対して15.0%の割合の利息を支払う必要があるということです。
この金利は基本的に年率ですから、正しくは、金利15.0%で1年間借りた場合は借り入れた金額に対して15.0%の割合の利息を支払う必要があるということを示しています。
つまり利息は、「借入金額×金利」の算式で求められる金額です。
また、実際に返済しなければならない金額は借入金額と利息の合計額ですから、1年後に返済すべき金額の算式は、「借入金額+借入金額×金利」で求めます。
具体的な数字で示すと、金利15.0%で100万円を1年間借りた場合の利息と1年後に利息を含めて返済すべき金額は、次のように算出します。
- 利息:100万円×15.0%=15万円
- 要返済額:100万円+15万円(100万円×15.0%)=115万円
なお、金利には1年当たりの「年利」だけではなく、1日や1カ月当たりで表現する「日歩」や「月利」もありますが、カードローンでは1年当たりの「年利」を「%」で表記することが法律で義務付けられています。
金利に基づく利息の計算方法
カードローンで借入をする場合には、できるだけ安い金利で借りたいことから、多くの人は金利に注目します。
しかし実際に借入をした場合に、いくらの利息を返済することになるか計算ができている人は少ないようです。
シッカリとした返済計画を立て確実に毎月の返済をするためには、事前に利息計算をしておくことが重要であると言えます。
ネット上には利息計算や返済額をシミュレーションできるサイトがありますので、せめてそうしたツールを利用してでも利息の計算方法に取り組むことをおすすめします。
なお、利息には単利と複利で金額に違いが出ます。
遅れるようなことなく普通に返済をしているときには、単利なのか複利なのかを意識する必要ありません。利息は月々の返済で支払っているのですから、一度支払ったその利息に対して再び利息が発生するようなことはないのです。
ですから確実な返済をしている人にとっては、単利であっても複利であっても関係はありません。
もっとも通常のカードローンでは、利息は単利で計算されることがほとんどです。
では、利息計算をする際に必要な3つ情報を次のように仮に設定し、カードローンにおける利息計算方法を紹介していきます。
- 「金利」:18.0%
- 「借入金額」:40万円
- 「借入期間」:3年(36カ月)
◎年間の利息計算
1年間の利息は、「借入金額×金利」で計算します。
・40万円×18.0%=72,000円
3年間の利息は、「借入金額×金利×借入期間(年)」で計算します。
・40万円×18.0%×3年=216,000円
このように、仮に設定された条件の下では、3年間で72,000円の利息を支払う必要があります。
しかし、総返済額は「借入金額+利息」ですから、3年間の総返済額は次のとおりです。
・40万円+216,000円=616,000円
これだけの金額を36回で返済するのですから、返済月額は「総返済額÷返済回数」で計算します。
・616,000円÷36回≒17,112円
カードローンでこの返済月額を少なくするためには、借入期間を延ばすのが一番可能性のある方法です。
しかし返済月額を半分にするためには返済期間を倍にすればいいかと言えば、そうではありません。
返済期間を6年にして計算してみましょう。
- 40万円×18.0%=72,000円
- 40万円×18.0%×6年=432,000円
- 40万円+43.2万円=83.2万円
- 83.2万円÷72回=11,556円
このように借入期間を倍にしても、返済月額は5,556円しか安くなりません(32%減)。
こうしたシミュレーションをしっかり実行してから申し込まなければ、返済に苦労することになります。
月ごとの利息計算
カードローンの返済は、月1回です。そこで年間の利息計算に続いて月ごとの利息計算を紹介します。
「借入金額×金利」で計算した1年間の利息を年間月数で除してやれば、月ごとの利息が算出できます。
月ごとの利息=借入金額X金利÷12カ月
これが、1カ月当たりの利息計算式です。この式を使って、月々の返済額を計算してみましょう。
まず1年間の利息を、「借入金額×金利」で計算します。
・40万円×18.0%=72,000円
次に1カ月の利息を、「借入金額×金利÷12カ月」で計算します。
・40万円×18.0%÷12カ月=6,000円
このことで1カ月当たりの利息は、6,000円であることが分かります。
しかし月々の返済は、借入金額を借入月数で除した借入金部分の返済金額も加算しなければなりません。
借入金部分の返済金額は40万円÷36回=11,112円ですから、月々の返済金額は、6,000円+11,112円=17,112円です。
月々の返済額は、年間の利息計算をした際の返済月額と同じであることがわかります。
日割りの利息計算
カードローンの利息計算は年単位や月単位ではなく、ここで紹介する「日割り」で行われます。
年間の利息計算を知っている人にとっては、いたって簡単です。それは、年間の利息計算で得られた数値(金額)を365日(うるう年なら366日)で割り算するだけでいいからです。
具体的に紹介しましょう。
1年間の利息は、「借入金額×金利」で計算しますが、日割りの利息は「借入金額×金利÷365日」です。
・40万円×18.0%÷365日≒198円
1日当たり198円の利息が発生するということです。
この利息は、土日祝日などに関係なく毎日発生します。消費者金融系カードローンなどに多い「借入後30日間無利息」といったサービスは、日割り利息×サービス日数の利息がタダになるということです。
なお日割り計算の場合、小数点以下は切捨てで処理されます。
また、借入当日は借入日数にカウントされません(利息は発生しません)が、返済当日は借入日数に含まれます(利息が発生します)。
カードローンの金利と利息計算について:まとめ
●金利とは
- 借入を返済する場合、一般的には「利息」を支払います。この利息を計算するときに使うのが「金利」です。
- 利息は、「借入金額×金利」の算式で求められる金額です。
- カードローンでは1年当たりの金利を「%」で表記することが法律で義務付けられています。
●年間の利息計算
- 1年間の利息=借入金額×金利
- 複数年間の利息=借入金額×金利×借入期間(年)
- 総返済額=借入金額+利息
- 返済月額=総返済額÷返済回数
●月ごとの利息計算
・1カ月の利息=借入金額X金利÷12カ月
・1カ月の返済額=借入金額÷借入月数+1カ月の利息
●日割りの利息計算
・カードローンの利息計算は年単位や月単位ではなく、「日割り」で行われます。
年間の利息計算を知っている人にとっては簡単です。それは、年間の利息計算で得られた数値(金額)を365日(うるう年なら366日)で割り算するだけでいいからです。
・日割りの利息=借入金額×金利÷365日」