クレカのリボ払いを使うと多重債務になりやすい理由
クレジットカードは満18歳になればゆるやかな条件を満たしていれば利用できるうえ、カードに付帯しているサービスが魅力的であることから、近年は若い人や主婦からも大きな支持を得ています。
しかし利用者層の広がりとともに、利用代金の支払(借金の支払)に困っている人も増加しているようです。
クレジットカードで借金を抱える人の多くは、クレジットカードの支払方式であるリボ払いの「特性」「メリット・デメリット」「問題点や注意点」を理解しないまま利用を開始したことに原因があるといわれています。
このページでは利用代金の支払に困ることのないよう、「リボ払いの特性、メリット・デメリット、問題点や注意点」についてお話します。
リボ払いの特性とクレジットカード会社のねらい!
リボ払いでクレジットカードを利用すると、利用額に関係なく契約した毎月の支払額は変わりません。
こうした「利用金額に関係なく月々の支払額が変わらないこと」こそが、リボ払いの一番の特性と言えます。
しかし毎月決まった金額しか支払わないのですから、支払額よりも利用額が多ければそれだけ利用残高(未払残高)は増えてしまいます。
その結果、利用残高が利用限度額に到達してカードを利用できなくなったり、いつまでも支払いが続いたりすることになるのです。
さらに金利手数料も増えることから、支払いに困るといったことに陥ってしまいます。
こうしたクレジットカードの危険性が言われながら、クレジットカード会社はなぜリボ払いをすすめるのでしょう?
その答えは、「貸金業法と出資法の改正」と「収益改善に向けた新方針」と言えます。
かつてクレジットカード会社は、消費者金融と同じように『出資法』に定める上限金利29.2%によるキャッシングで多くの利益を確保していました。
しかし2006年の『貸金業法』と『出資法』改正が、経営に大きな打撃を受けたのです。
「総量規制」で貸付限度が制限され、出資法の改正で上限金利を20%以下に引き下げなければならなくなりました。
貸し出せる金額も貸付の金利も減ってしまったことで、クレジットカード会社はキャッシングでは利益を確保できなくなったのです。
そこでクレジットカード会社は、新たな収益確保の方針を打ち出しました。
それが「ショッピングのリボ払い・分割払い」による収益確保なのです。
リボ払いのメリット・デメリット
クレジットカード会社にとって収益確保の最大の切り札であるリボ払いは、カード利用者にとってもさまざまなメリットとデメリットがあります。その代表的なものをいくつか紹介しておきますので、デメリットに注意しながらクレジットカードを利用しましょう。
(1)リボ払いのメリット
①毎月の支払額が一定で、それ以上の金額の支払いをしないでいいこと。
リボ払いは利用残高に基づいて毎月の最低支払額が決まっており、契約で約束した金額を支払えばそれ以上は翌月以降に支払えばいい方式です。
毎月の支払額はクレジットカード会社によって違いがありますが、最低支払額は3千円程度から設定されます。
毎月の支払金額に上限が設定されていて上限を超える場合でも支払は同額であることから、計画的にカードを利用することの苦手な人には向いていと言えるでしょう。
②いつでも繰上返済ができること。
リボ払いは、手持ち資金に余裕がある時やまとまった収入があるときにはいつでも「繰上返済」ができます。
繰上返済は、早ければ早いほど金利軽減効果が高い支払方法です。繰り上げて支払いをすることで、今後支払わなければならなかった金利手数料を少なくすることができますし、少なくなっていたカードの利用限度枠を回復させることもできます。
さらに元金残高が少なくなることで、支払期間が短縮されるのです。
③リボ払い専用カードには、このカードだけの豊富な特典が用意されていること。
リボ払い専用カードはクレジットカード会社としては金利手数料収入が増えることがら、多くの人の利用を期待しているものです。
通常のクレジットカードよりも豊富な「通常の2倍から3倍のポイントを得ることが可能な高還元率」「海外旅行傷害保険やショッピング保険が付帯」といった特典を付帯しているので、利用者にとっても魅力的なカードといわれています。
(2)リボ払いのデメリット
①最低支払額が低く一定であることから、使い過ぎる傾向があること。
クレジットカードの月々の支払額は一定で低額であるため借金をしているという意識が薄れてしまい、使い過ぎていても危機感を感じづらいという問題があります。気がついたら利用残高が驚くほどの額になっていた、といった失敗を経験する人が少なくありません。
また、一回払いや分割払いなら利用額に応じて翌月の支払金額が増減するので、使いすぎを自覚できます。
しかしリボ払いは一定金額の支払いを繰り返すので使い過ぎてもそのを感じにくく、知らない間に利用額が膨れ上がっていたといったことになりがちなのです。
②リボ払いには高い金利手数料がかかること。
クレジットカード利用代金の「リボ払い」と「分割払い」には金利手数料(分割払いが12~15%・リボ払いが15~18%)がかかります。
クレジットカードの金利手数料は高いのですが、支払額が一定であることからその高さを感じていない人が多いのです。この金利手数料は利用残高に組み込まれるので、その分支払期間が長引きます。
③支払が少なく残高が減りづらいこと。
リボ払いは利用金額が多い場合でも支払額が一定のため、なかなか利用残高が減らないというケースに陥るのが一般的です。
そのことから支払期間が長期化し、さらにそのことで金利手数料の支払負担も大きくなってしまいます。
なぜクレジットカードで借金を抱える人がいるの?
クレジットカードのメリットとデメリットを理解している人は、なぜクレジットカードで借金を抱えることになるのか、ある程度想像できるのではないでしょうか。
ネット上のリボ払いの危険性を情報提供する記事の中にも必ず紹介されていますが、クレジットカードで借金を抱えることになる代表的な原因はつぎの2つです。
1つは「リボ払いは利用すればするほど支払いが長期化すること」です。
リボ払いは毎月一定の額を支払う方式ですから、その額を超えてクレジットカードを利用していると当然のことながら利用残高は増えていきます。つまり支払額を超える利用を続けると、いくら支払を続けても借金は減るどころかどんどん増え、いつまでたっても支払いは終わりません。
他の1つは「リボ払いは借金をしている感覚を失わせること」です。
リボ払いは設定された支払額を超えてクレジットカードを利用しても、月々の支払額は同じです。そうしたクレジットカードの利用をしていると、借金をしているという感覚や借金がどんどん増えているといった感覚を失くしてしまいます。
利用残額が大きくなって問題に気づいても、支払額を超えた額のクレジットカードを利用することで一度味わった生活レベルを元に戻すことは簡単なことではありません。
こうしたことで、リボ払いが原因となった借金を抱えることになるのです。
クレジットカードのリボ払いが原因で借金を抱える人は多い!:まとめ
クレジットカード会社はなぜリボ払いをすすめるのでしょう?
その答えは、「貸金業法と出資法の改正」と「新たな収益確保の方針」と言えます。
リボ払いのメリット・デメリット
・リボ払いのメリット
- 毎月の支払額が一定で、それ以上の金額の支払いをしないでいいこと
- いつでも繰り上げ支払ができること
- リボ払い専用カードには、このカードだけの豊富な特典が用意されていること
・リボ払いのデメリット
- 最低支払額が低く一定であることから、使い過ぎる傾向があること
- リボ払いには高い金利手数料がかかること
- 支払が少なく残高が減りづらいこと
クレジットカードで借金を抱える人がいる要因は次の2つ。
- 「リボ払いは利用すればするほど支払いが長期化すること」です。
- 「リボ払いは借金をしている感覚を失わせること」です。
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