ローン専用カードをつくるだけでもいいの?借入枠を持つデメリット
ローン専用カードをつくるだけでもいいの?
この質問に対しては、「カードをつくるだけでも問題ありません」というのが答えです。
申込者の中には、「借入を希望して審査を申し込むのだから、借入れをしないのでは審査を通らないだろう」と思っている人が意外と多いのですが、そうではありません。
ローン専用カード(カードローンの借入・返済に利用するカード)を持っていれば、金融機関が営業していない土日や深夜などでも利用できます。また、冠婚葬祭や飲み会などの急な出費に対してもコンビ二や近くのATMを利用することで借入ができます。
そうした便利さがあるから、申込をする時点では借入の必要がなくても、急な出費に備えて専用カードだけを持つ人が少なくないのです。
しかしカードを持つためだけにカードローンの審査に申し込むのは、メリットだけではなくデメリットもともないますから注意が必要です。
このサイトでは、ローン専用カードだけをつくることに関して知っておきたい情報を提供します。
ローン専用カードだけをつくる方法
すでに紹介したとおり、「ローン専用カードだけを作り、借入をしないこと」は可能です。
ローン専用カードだけをつくることは多くのカードローン提供会社で認めていることなのですが、そのことについて「商品説明書」やカードローン提供会社のホームページにある「商品紹介」で案内している例はほとんどなく、あってもQ&Aのサイトで紹介されているのが一般的です。
ローン専用カードだけをつくることについてほとんど紹介していないのは、カードローン提供会社では、おそらく、借入をしないでローン専用カードだけをつくることをあまり歓迎していないからであろうと考えられます。
カードローン提供会社はローンの貸付を行うことで収益を確保しているのですから、借入をしないで審査やローン専用カードの発行などの経費を支出していては商売にならないというのが本音のところかもしれません。
しかし「借入をしないでローン専用カードだけをつくることは、お断りします」といった告知をしているカードローン提供会社が見あたらないのも事実です。
では、どのようにすればローン専用カードだけを作れるのでしょう?
手続方法としては、普通に申し込みするときと変わりありません。
カードローンの審査では、一般的には審査をクリアした場合にすぐに貸し付けてほしい「借入希望額」を記載して申し込み、その金額を融資するかどうかの審査が行われます。
そのことからカードロ-ンの申込書には、「借入希望額」を記入する欄は設けられています。しかし「今回の借入希望額はゼロである」ことを記入する欄は設けられていません。
このことは、カードだけをつくることを認めているカードローン提供会社の申込書でも同じです。
ですから、カードだけをつくる場合には、カードローン提供会社に記入方法を確認することをおすすめします。
なおカードローンの商品説明書には、「借入金額は、後ほど変更できます」との記載があるケースがあるようです。
そうしたケースでは、ローン専用カードだけを希望する人は今後借入をする際に借入したい金額を記入しておき、契約を結ぶ際に今回の借入希望額はゼロであることを申し出ることで、ローン専用カードだけを手にすることがきるようです。
いずれにしても、商品説明書にはローン専用カードだけをつくる手順を紹介した情報がありません。
いわば例外事項ですから、申込みの際にはカードローン提供会社にカードだけを作りたいことを伝え、申込書への記入方法を確認することをおすすめします。
カードをつくるだけの場合でも、極度額には注意が必要!
カードローンの審査をクリアすると、利用限度額(限度額)と借入極度額(極度額)が必ず設定されます。
「利用限度額」とはカードローン提供会社が審査によって設定した、具体的な貸付の上限額のことです。
カード利用者はこの限度額の範囲内であれば、何度でも繰り返して借入・返済で利用できる金額を指します。
この利用限度額は取引状況によって増額される場合があり(減額される場合もある)ますが、借入極度額を超えることはありません。
「借入極度額」とはカードローン提供会社が契約上で貸付できる最高額として設定した金額のことです。
極度額は利用申込者の信用度や支払能力によって設定されます。
その後に良好な取引状況が続くと利用限度額の増額が行われ、何回かの利用限度額の増額によって到達する可能性のある最高額のことを指します。
この極度額は、借入をしないでローン専用カードだけを作った場合でも、「信用情報機関」に登録されてしまいます。
借入極度額は「ローン専用カードに設定されている金額」ですから、ローン専用カードを「利用する、しない」にはまったく関係ありません。
ですから、借入をしないでたとえば400万円の極度額が設定されたカードを作っただけでも、わが国に3つある信用情報機関のカード所有者の個人情報には「極度額400万円のカードローンの借入あり」として記録されます。
このように信用情報機関に極限額が記録されてしまうと、カードローン以外のローンを申し込んだ場合、全く使用していないカードでありながら、カードローンが解約されていないことから「そのカードの極度額の全額を、借り入れしている」と見なしたうえで返済能力が審査される可能性があるのです。
そのことで「返済比率(収入に対する返済額の比率)」が高くなり、希望どおりの借入ができなくなってしまう可能性があります。
たとえば年収が1,000万円で実際には借入をしていない400万円の極度額ある人が、銀行に300万円のマイカーローンの借入を申し込んでも、返済比率が70%を超えると見なされて借入できない可能性があるということです。
一般的にもよく言われていることですが、特に銀行のローンではそうした傾向が強いようです。
ですから、カードだけをつくることはできても、住宅ローンやマイカーローンなどの利用を考えている人は、限度額だけではなく極限額がいくらになるかを確認してからの申込みが必要です。
ローン専用カードだけをつくることのメリット・デメリット
借入をしないでローン専用カードだけをつくることは可能ですが、それには次に列挙するようなメリットもデメリットもあります。
①カードだけをつくることのメリット
- 急な出費や今後の必要性に備えられる:ローン専用カードを持てば。急な出費などに備えられる。
- 安心感を得られる:急に必要な資金を準備できている、という安心感を得られる。
- 会費などの必要がない:クレジットカードと違い、カード発行手数料や会費の必要がない。
②カードだけをつくることのデメリット
- 信用情報機関に契約が登録される:カードを全く利用しない場合でも登録される。
- 他のローン借入の障害になる可能性がある:極度額まで借入しているものとして返済能力が審査される。
- 不正使用に対する保障がない:ローン専用カードを不正使用されても、自己責任で返済義務が発生する。
ローン専用カードをつくるだけでもいいの?:まとめ
●カードローンは、借入しなくてもカードをつくるだけでも問題ありません。
- 申込方法は、普通のカードローンと同じでいい。
- 借入希望額は、将来必要な場合を想定して記入
- 契約の際に、今回の借入はゼロにしてほしいことを申し出る。
●借入をしないでローン専用カードだけを作った場合でも、「信用情報機関」に登録されます。
- 信用情報機関には借入極度額が登録されるので、他のローンを借り入れのる際に注意が必要
●ローン専用カードだけをつくるメリット・デメリット
借入をしないでローン専用カードだけをつくることは可能ですが、それには次に列挙するようなメリットもデメリットもあります。
- ローン専用カードを持てば。急な出費や今後の必要性に備えられる。
- 急に必要な資金を準備できている、という安心感を得られる。
- カード発行手数料や会費の必要がない。
●ローン専用カードだけをつくるデメリット
- カードを全く利用しない場合でも信用情報機関に契約が登録される。
- 他のローン借入の障害になる可能性がある。
- ローン専用カードを不正使用されても、自己責任で返済義務が発生する。
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