個人再生の返済期間は3年。それ以上の返済期間を認めてもらう方法
個人再生手続きは、削減・圧縮した借金を「再生計画」という返済スケジュールにそって返済をすることを約束する手続きです。
再生計画は通常3年間で、3カ月に1回以上の割合で分割して返済できるよう作成しなければなりません。
元々が住宅ローンがあるけれども、借金をしてしまって返せなくなった人への救済措置として作られた制度です。ですので、以下でお話するような一定条件さえクリアできれば、3年以上の返済期間を認めてもらう事ができるようになります。
個人再生の手続きの流れは?
作成した再生計画は、裁判所が決めた委員が構成する再生委員会が債務者の現在の収入や支出を細かく調査して審査します。
この再生委員会の審査をクリアすれば、裁判所は再生計画を承認するのです。
再生計画は返済期間を3年間で作成しなければなりませんが、3年間では返済できない「特別な事情」のある債務者が存在します。
そうした債務者については、裁判所の判断で期間を5年間まで延長が認められているのです。
つまり、個人再生における借金の返済期間は原則として3年間ですが、裁判所が認める「特別な事情」があれば、5年まで延長が認められます。
では、「特別」と呼べるのは、一体どのような事情でしょう。
返済期間の延長を申し出るには、現在の収入が安定しており、将来的にも現在の状況を見込めることが前提です。
しかし、その収入の状況が見込めても、今後の生活費・教育費などが増額することから3年間で返済を完了させることが難しくなる可能性があります。
そうした事情があるときには、返済期間を延長の申出が可能です。
裁判所は返済期間の延長には非常に寛容であるといわれており、節約に節約を重ねて3年間で返済を完了することを求めるといったことはありません。
もちろん、再生計画にボーナスの収入が加味されていない、贅沢品の購入や娯楽費・交際費の支出が多すぎるといった場合は、延長が認められない可能性が高くなります。
それなりの理由で十分な説明が行われるのであれば、ほとんどの場合で期間の延長が認められるといえそうです。
なお、特別な事情として認められやすいのは、次のようなケースです。
- 再生計画案を出したが、現在の収入では頑張っても3年で返済が困難な場合
- 親の老後の面倒をみる必要がある場合
- 家族の養育費や医療費が継続的に必要な場合
- 住宅ローンの支払がある場合
- 会社の業績不振で、給料が落ち込むことが分かっている場合
- 子供の進学を控えていて出費の予定がある場合
また、特別な事情として認められにくいのは、次のようなケースです。
- 実家暮らしのため、収入は少ないか生活費の負担は少ない場合
- さらに節約可能な費目や予定額が多い場合
- 節約生活を感じさせない計画の場合
- 月収は少ないが、ボーナスが多いことで年収が多い場合
持ち家売らずに債務整理を!個人再生を検討している人向け徹底解説
小規模個人再生と給与所得者等再生とは何が違うの?
・違いは、次の2点
①収入に関しての利用条件が、給与所得者等再生の方が厳しいこと
②再生計画における返済額決定の方法に違いがあること
・小規模個人再生は、シッカリとした会社勤めのサラリーマンでないと利用しづらい。
・給与所得者等再生の場合は、所得が多ければ多いほど返済額が高額になる。
・返済額の大幅な削減が期待できる小規模個人再生が、圧倒的に多くの債権者に利用されている。
住宅資金特別条項が利用できないときとは?
・住宅資金特別条項を利用すれば自宅を残すことができ、住宅ローン以外の借金についても人再生で大幅な減額と長期の分割払いが認められる。
・だれでもが住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用できるわけではない。記事参照
・条件を満たしていても、住宅ローン特則を利用できない場合がある。記事参照
3年を超える返済が認められる特別な事情とは?
・個人再生手続きにおいては弁済期間を原則3年としながら、「特別な事情」がある場合は5年を超えない範囲内で弁済が可能
・「特別な事情」とは、3年間では完済が見込めない理由であるが、原則として裁判所の判断に委ねられている。
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