流れるカレー
今日はお休みっ!
朝から電車を乗り継ぎ、
高速バスに乗って大都市にお買い物に行きました。
お昼ごはんを食べるのも後回しに、
彼女のお買い物に付き合います。
彼女はブランド物ばっかり見ています・・・。
知らない女「ありがとう!一生使うね♪」
シロウの後ろで、ブランド物の鞄を買ってもらったとおぼしき
女と男が歩いていきます。
けっ、バカが!!
うーん、
シロウはさっぱり興味ないなぁ。
はぁ(*´д`)
時刻は昼過ぎて、もう4時。さすがもうお腹ぺこぺこです。
全然、好みの食べ物屋がなくって
やっと妥協したなんかカワイイ喫茶店に入ってカレーを注文します。
シロウはカウンターの手前に座り、
彼女の○○は奥に座ります。
ーーーー壁ーーーー
↓彼女
● ○←空席
■ ■←机
● ○←空席
↑シロウ こんな感じの席です。
ーーーー通路ーーー
カウンター
シロウ「キレイな喫茶店だね」
○○「やっぱり女の子だけの店だとセンスがいいんだよ。」
・・・
シロウ「歩いたなー」
のんびりカレーが来るのを待ちます。
店員さん「お待たせしまし・」
彼女「こぼれてる!こぼれてる!」
シロウ「あつっ!」
(ん!?)
ぼんやりシロウの視界の隅で
店員さんの持ったカレー皿が斜めになっています。
ぼとぼと。
Tシャツの右肩にカレーがっ!!
店員さん「ああっ、すみません!」
(おわっ!Tシャツの袖・・カバンも!マズイ!拭かなきゃ)
その場、三人ともパニック状態です!(><)
あわててテーブルの上にあった紙でTシャツを拭くシロウ。
どこからともなく紙がどんどんシロウに渡されます。
後から聞いたのですが、
慌てた店員さんが抜き取った紙が
彼女の方のカレーに見事にインしてたそうです。
彼女、冷静にオイオイって思って、一人取ってたそうです(笑)
店員さんかなり慌ててたので、
シロウの方しか視界に入ってなかったんでしょうね。
すぐに店長らしき人が飛んできて、
平謝りしながら、タオルで袖を拭いてくれます。
シロウはタオルを奪い取るように借りてカバンを拭きます。
シロウ「どうするの・・コレ。」
思わず口に出てしまいました。
店長「申し訳ございません!大丈夫でしたか?
こちらでクリーニング代を出させていただきますから。」
シロウ「え?あっ・・そうです・・ね。」
(ああ、こういう時って、どうすりゃいいんだ?一応、当然だよな・・)
こぼしたカレーを引き上げていきます。
彼女の方のカレーはなぜかそのまま(^^;)
シロウの彼女は紙入ったんだよって言いながら普通に食べてます(笑)
彼女「あの店員さん、ずっと謝ってたね」
シロウ「えっ、そうだったの?
こっちはいっぱいいっぱいで気がつかなかったよ。」
しばらくして店長が来ました。
店長「本当に申し訳ございませんでした。」
シロウ「あ、コインランドリー行きますから、近くにあります?」
店長「でも洗ってる間、代えの服が必要ですよね。
すぐに買って参りますので・・でもTシャツも好みがありますよね・・。」
(あっそうか、裸でコインランドリーにいるのって嫌だな)
シロウ「じゃ、すいませんけれども、宜しくお願いします。何でもいいので。」
店長「Tシャツ代とクリーニング代はこちらで出させていただきますので」
シロウ「えっ?えっ?」(´ι _`;)ゝ”
彼女の方を見渡します。
シロウ「うーん、こういう時、どうしていいのかわからない。」(´ι _`;)ゝ”
店長「お食事が終わるまでには間に合わせるようにしますので」
シロウ「えっと、じゃあ、お願いします」←お願いしていいのかよオレ!
・・・どうやらTシャツを買ってきてもらえるようです。
ラッキ・・って、いいのか?
シロウはパニくっててあんまり聞こえてなかったけど、
なんか、さっきの店員さんすっごく悲壮な声で謝ってたような気がする・・
気まずくなったりすんだろなぁ。カレーの染みた白いTシャツで
作りなおしてもらったカレーを食べながら思います。
彼女「あって思ったらもうこぼれてたし。」
彼女「あのコすっごく平謝りしてたよ。」やっぱり・・
カレー2つ持って重かったんだろうね。」
彼女「私も昔バイトしてた時、ドジッった事あったねー。」
そういえば、シロウもこんなバイトしてた時、ジュースこぼした事あったな。
もし、ここでTシャツやクリーニング代もらったら、
(あの店員さん辛いだろうな・・)
(すっごく責任感じちゃうだろうな)
食べ終わった頃、Tシャツを渡しに店長さんが来ました。
シロウはTシャツがいくらだったか聞きます。
店長は答えません。いいですから、気持ちですから、
3回くらい言っても聞きません。
「いや、これは払うから、こっちのやりたいようにやらして下さい!」
(><)ちょっと怒鳴り気味に言っちゃいました。
やっとTシャツの金額を聞き出せたのでそのお金を店長に渡します。
トイレに行って着替えます。
てゆーか(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*
Tシャツダサっ!!!!
なんかアジア人専用Tシャツって感じです(苦笑)
こぼした店員さんが謝りに来ました。
すっごく勇気出して来てくれた様子です。
(うわっ、すっごく若い、学生のコなんだろうな。)
店員さん「すいませんでした。本当にすいませんでした。」×20
いやもう、ホントに悲壮な顔で謝られるんですよ。(^^;)
シロウ「いいから、いいから、気にしないで。」
離れた席からも他のお客さんも何事かとこっちを見ています。
もう、気の毒店員さんを見てられません。彼女の方向いて
シロウ「コインランドリーって200円位でしょ?」
彼女「そうだね。」
シロウ「それだけでいいよ。気にしなくていいからね」
カラン、カラン!新しいお客さんが入って来ました。
そっちを向く店員さん。かなり混んできていて、
店員は彼女しかいません。
シロウ「オレもバイトしてて、ミスった事いっぱいある。
だから気にするな。ほら、(お客さんの方)行っといでよ。」
彼女「すみません。」
(うわ、涙にじんでるし)
しばらくして、店を出ようとします。
あの店員さんがレジでした。
普通に食事代を払います。
その後、クリーニング代と書かれた封筒を渡されました。
触ると硬貨ではなく札です。
空けてみると千円が入ってました。
シロウ「いやほんと、200円でいいから。」
レジの上に千円を置きます。
店員さん「いえ、本当に取って下さい。」
シロウ「そんなに、もらえないよ。」
困った顔で店長の方を覗う店員さん。
シロウ「そんなに謝ってくれたんだから、もういいよ。」(^^;)
(うっ、もうちょっとカッコいいこと言えないのかよオレ・・)
シロウ「ホントに気にしなくていいからね」
すっごく純粋な店員さんの困った視線を受けながら、
シロウと彼女は店を後にしました。
なんか愛想笑いと戸惑いですっかり疲れちゃいました。
遠いから、次に行く時にはあのコもういないだろうけど、
落ち込んでなかったらいいなぁ。
次は 最近笑ってますか?です。
優しいっすね。